川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

西野子踊り行われる

2014-08-11 06:42:07 | 日記
 


 松阪市西野町に古くから伝わる郷土芸能「西野子踊り」が8月10日、西野公民館前広場で行われました。8月9日に行われる予定でしたが、台風11号の影響で1日延期になりました。この日も朝から暴風雨が吹き荒れる中、関係者一同気を揉みながら天候の回復を待ちました。予定時刻の午後5時頃には雨も上がり、広場の水も引き、野外で実施することができました。

 この日は踊り子たちが次々と会場に集結し、踊りを見守る地域の人たち、親戚の人たち、一般市民の皆さん、また市外からも見学者が訪れました。また多くの来賓の皆様も来ていただきました。
 今年は市教育委員会の無形文化財の撮影のため、依頼を受けた松阪ケーブルテレビのカメラマンが、練習風景から今日の本日まで撮影に来ていました。

 西野の子踊りは「かんこ踊り」とも呼ばれ、和歌山県日高郡日高町にある安珍清姫悲恋物語で知られる道成寺の流れをくむ郷土芸能です。子踊りの「鐘巻踊」のうたの中にも安珍清姫悲恋物語が歌われています。
 現在松阪市内では西野を含めて7つの地区でかんこ踊りが行われています。昔は多くの地区でかんこ踊りが行われていましたが、時代の流れと共に消えていき、現在7地区でしか残っていません。このため大変貴重な郷土芸能と言えます。7つの地区の内、猟師・松崎浦・曽原・笠松・新屋庄の5地区は初盆供養の仏事踊りです。西野と小阿坂は雨乞いや豊年祈願の神事踊りです。

 戦後間もない昭和20年代から中断し、約30年後の昭和54年8月に西野子踊り保存会(安濃田助生会長)が結成され、復活しました。この長期の中断が大きく、最近太鼓を踊れる人、歌を歌える人が少なくなってきました。
 このため平成20年6月から「かんこ塾(錦洋明塾長)」を開設して大人を対象に太鼓の練習を行っています。また昨年末、これまで歌を歌われていた野崎宥志さんが亡くなり、歌う人が少なくなってきたので、今年の2月から有志7人で歌の練習もしてきました。
 かんこ塾は7月から練習を始め、子ども、大人を含めた総合練習は7月の末から8月にかけて行います。

 

 「子踊り」と呼ばれるように、踊りの中心は小学生を中心とした子ども達です。かつては家持ちの長男しか踊れなかったのですが、最近は子供の人数が少なくなってきたので、次男、三男や女の子も踊りの輪に加わり、また未就学の幼児、中学生や高校生、大人の人たちも多く踊りに加わっています。
 踊りの輪の中央には大太鼓、その外側に大人の踊り子、さらにその外側に子ども達の踊り子が輪をつくります。踊り子は法被姿にはちまきをして、履物は雪駄。首から太鼓を下げ、バチで太鼓を打ちながら踊ります。一番外側には子ども達の母親や地区の大人たちが鳥追笠をかぶり、竹の先に紙の房のついた「采(ざい)」をもって踊ります。
 歌に合わせて笛を吹き、かつては法螺貝が吹かれましたが、今はありません。

 歌は「世古入」、「神楽踊」、「世ノ中踊」、「小原木踊」、「飛田踊」、「鐘鋳踊」、「鐘巻踊」、「綾踊」、「忍踊」、「長崎踊」、「神役踊」、「御寺踊」、「雉子突踊」、「陣立踊」、「鹿狩踊」、「唐人踊」、「花見踊」と全部で17あります。この内現在は「世古入」、「神楽踊」、「世ノ中踊」、「小原木踊」、「飛田踊」、「鐘鋳踊」、「陣立踊」、「花見踊」の8曲が踊られています。

  開催時期は、旧来は8月20日でありましたが、現在は盆直前の土曜日に行われ、開催場所は、以前は町内の西林寺と宝福寺で交互に行われていましたが、現在は西野公民館前広場で行われます。

 西野の場合「子踊り」と称しますが、鞨鼓を持って踊ることから他地区の「かんこ踊り」と変わりません。他地区では「かんこ踊り」と称しているのに、西野だけなぜ「子踊り」と称するのかは分かりません。
 またこの踊りがいつ頃から始まったかは分かりません。歌の中に唯一出てくる年号が、鐘鋳踊の中の善光寺の鐘に書かれた年号「元文四年五月三日」で、この元文4年(1739)は江戸時代(1603~1867)の丁度中頃になり、これ以降にこの歌が作られたことになります。

 西野子踊りと小阿坂のかんこ踊りは共通するところが多く、西野17踊りに対して小阿坂20踊りであるが、多少文句は違っていても14踊りも共通の踊りがあり、節もよく似ています。和歌山県の道成寺の案内板に西野と小阿坂の踊りが記されていました。また曽原のかんこ踊りや笠松のかんこ踊りには初盆供養踊りでありますが、西野とよく似た歌があります。

                                 西野子踊り保存会会長 川口 保
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