TamonTokyo - 多聞 ブログ

少年サッカーから私立中学受験、そして中高一貫校の生活などを書いていきます。

要注意:「中学受験 入りやすくてお得な学校 2009首都圏」には気をつけろ

2008-11-14 | 駆け込み受験・中学受験
私立中学受験を志して私が最初に買った本の2009年最新版、「中学受験 入りやすくてお得な学校 2009首都圏」森上 展安 著が出たので、早速読んでみました。
通常書評は、ほめるようにしか書かないことが多いのですが、この本はあえて警告しておきたいと強く思いました。せっかくの学校との出会いのチャンスを減らしかねない、要注意な本であり、読み手を選ぶのです。

■網羅的な本じゃないから、事典的読み方をしてはいけない:
2008年版を読んだ私は知らず知らずに、網羅的な辞書的なものとして思ってしまい、取り上げられていない学校を見逃しそうになったという苦い経験をしています。
著者は、大学進学実績が出ていない学校をストレートに書けないようです。自動車評論家、徳大寺氏による「間違いだらけの自動車選び」のような率直な批判とかがあることを期待してしまうと、肩透かしにあうでしょう。書いてある学校はすべてほめられています。

■取り上げられていなくて、要注目の学校が多数ある:
料理のガイドブックのようにお勧めだけを取り上げたという本だとしても、見過ごされている学校が多いとその選択に疑問を持たざるを得ません。
例えば、東京都市大(武蔵工大)付属が取り上げられず、 東京農大一高中等部は2009年にコラムで触れるだけという、ゲスト扱いで、お得のトップとして攻玉社と世田谷学園が取り上げられている扱いの大きな較差は誤解を招きやすいと思います。

■データは、学部重複合格を除外されているが現役生の結果1年分、早慶上智理科大、MARCHだけで信頼性が低い:
受験情報掲示板でも、学部の重複合格をまとめた週刊朝日の記事は人気です。支持に応えてという形でデータの取り方が変えられています。しかし、現役生の1年分データからまとめているので、それがたまたまでた結果なのかとかいうより深い参考にはなりません。
Webサイト「中学以上大学未満」の分析に圧倒的に負けていると思います。
早慶上智理科大の現役合格率グラフを見て、麻布、本郷、巣鴨、桐陰中等は、進学実績は同じなのかなどと、誤解する人が出るのは避けられなさそうです。しかし、実際のところ、早慶以上の東大や医学部を目指す人の多寡や、浪人してでも難関を目指す志向の違いとかあり単純に比べられません。

データをしっかり見たい方には、四谷大塚発行の「中学入試案内」をお勧めします。グラフの数が少ないのですが、生のデータの量が豊富であり、これくらいないと使えないなと最近実感しています。

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