多聞 きもの手帳 <男の着物日記>

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てんぷら「近藤」 銀座店

2005年09月15日 | きもの日記2005
てんぷらの名店として知られる「近藤」銀座店に行った。
自分と細君二人、カウンター席。自分の着物は単衣の大島に十字絽の羽織。
おまかせでお願いしたのだが、まずは海老の頭から始まり無難なところが続く。
白身の小魚が続けて出てきた。先ずキス、次にてメゴチ。両者ともてんぷらでおなじみに淡白な魚だ。そして少し置いてハゼが出た。前者二つと比べて少しアクがある味だ。てんぷらにすると一見見分けがつかない三種のネタを出して違いを楽しませるとはさすがである。

アスパラが出てきた。噛むとしゃりっとした食感で、熱をあまり通していない。噛み切った断面から水分がにじみ出る。松茸は縦に二つに割り、先端に小さな柚子を挟んで上げてある。これもまだ生のキノコの感触が歯に感じられる熱加減だ。

今度は人参。かつら剥きにした人参を糸のように千切りして衣をつけ、ごま油の鍋へざっと入れる。熱が十分に通ったら箸で人参をさっとかき集めてまとめると、あっという間に人参のボールが出来上がる。
これは人参のスナック、まるで人参の糸チップだ。しかし熱を十分に加えた人参のなんと甘いことか。感動的でさえある。

野菜をもっと食べたくなった私たちは南瓜をお願いした。近藤さんは天ぷらひとつを二人で食べて十分な量だという。
果たして、幅10cm以上のくし切りにされた大きな南瓜が鍋に放り込まれた。その大きなてんぷらをじっくりじっくりあげていく。おそらく温度を違えて設定してある二つの鍋の間をいったり来たりしながらじわじわ揚がってくる。
適当な大きさに切って出されて南瓜は今まで食べたことのないもの。皮がおいしい。ぱりぱりとしていながら柔らかい。炊いた南瓜のようにホクホクしていたがら香ばしい。
最後の天茶の出来栄えは押して知るべし。絶品という言葉がふさわしい。

てんぷらという料理は具材に衣をつけて油で揚げるというものだ。一般のてんぷら屋では基本的に料理の方法は変わらず、ただネタがかわっていくだけである。しかしこの単純ともいえる料理法も食材に合わせて工夫することで全く違った料理に変身する。しかもてんぷらという管板の下客の期待からも踏み出さない。
これぞ料理の真髄というものだと思う。
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