出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

取次の納品口にて

2005年03月02日 | 注文納品
注文納品だが、取次からと電話で直接来るものの2通りある。

取次から来る場合、例の取引口座開設のときにどうするか決めておく。注文書を送ってもらうか、取りに行くかなんだけど、トーハンと日販で違う。ちなみに注文書は、短冊とかスリップとか呼ぶ。

トーハンは、注文の書籍の納品口に棚がある。10センチ四方で奥行きが20センチくらいに仕切られていて出版社が割り当てられている。そこに入っている注文書を受け取る。いっぱい入っていると嬉しい。

日販は、郵送されてくる。そのために前もって切手を貼って住所を書いた封筒をまとめて送っておく。前回書いたように日販はめちゃくちゃ遠いので、行ってみて注文ゼロじゃ悲しいから、そうしてもらった。

うちのレベルだとそんなに多いわけじゃないので、1枚1枚ニヤニヤしながら「吟味」する余裕があります。「おうっ、はるばる鹿児島からじゃないか!」とか、「紀伊國屋さん、売れたら黙ってても補充してくれる、さすが!」なんて感じ。

だから、トーハンは行ってみてのお楽しみ、日販は用意して、電話で直接受けた注文と一緒に納品する。

ちなみに納品口に行くのは、当然運送屋さんが多い。出版社や製本屋で本を受け取って納品するだけ。街で見かける引越し屋のような厳しい表情で、重い箱を運ぶ。ヤマトや佐川のお兄さんのような笑顔はない。

出版社から来る人も、搬入専門なのか、黙々と納めている。大手の雑誌編集者のイメージなんかからは程遠いおじさんがワゴン車の後ろを開けて、これも渋い顔つきで納品する。たまに派手なオバサンがいるけど、あれはきっと6人くらいの小さな出版社の社長の奥さん=専務と見た。

私の場合、本に短冊をはさむ瞬間が一番楽しい。自分で作った本なので愛着があるし、売上を実感できるから。おそらく、渋い顔つきの人が行き来する中、ひとりでニヤけてると思う。

最後に、納品書にはんこをもらう。日販はお姉さんが2人いるが、1日中はんこ押しで疲れるためか、すごくむすっとしている。最近は検数のためのおじさんが外にいるので、怖いお姉さんに会わなくて済む。トーハンは3、4人のイケてるお兄さんなので気分がいい。

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