出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

まだまだ半人前

2007年05月09日 | 出版の雑談
匿名でない(正体がバレてるところにはバレている)というのは、結構緊張する。おまけにここ数週間、私としては異常なほどの「新たな知識の吸収ウィーク」だったので、ブログを書く余裕もなかった。あまり放っておくと、学んだことも忘れちゃいそうだ。なので、まとめられないとは思うが、とりあえず書いておくことにする。

●アマゾンの在庫表示

普段、著者の知り合いからのプレッシャーとかいろいろあったんだが、自分が著者になってみたら全然気にならなかった。一瞬「在庫なし」になったときも、「これじゃ売れないじゃないか」というより、「売れた!」と嬉しくなった。版元への信頼度の違いだろうか。

となると、少しずつでも信頼を得るために在庫を…という話になるわけで、やっぱり営業の話に戻ってしまう。今後の課題。

●営業マンが選ぶカバーの正しさ

実は複数の候補のうち、編集の人が選んだ案と私が「これがいいな」と思っていた案は却下になっている。却下なんて恐ろしい話ではなくて、最終的に営業の人たちが選んだ案に決めたってことだが。で、蓋を開けてみたら、すごく評判がいい。営業の人たちというのは、書店さん経由とはいえ「より読者に近い」、あるいは「やっぱり世の中の好みを熟知してる」ってことだろうか。

営業の人たちが選んだ理由は、明るい感じ。いや、明るいほうが暗いよりいいのは知っている。というか、どこかでそうだと読んだ。でも、それだけじゃないような気がする。理屈じゃなくて、「大勢に受け入れられやすい」何かがあるような。いや、その「何か」がマーケティングの理屈なんだろうけど。今後の課題、その2。

●波状攻撃

ある読者からいただいた感想メールの中の一節。

「大きな書店に行ったら、本関連の本のコーナーで平積みされていた。手にとってはみたが、一旦戻した(いろんな理由で)。ところが別のコーナーにも平積みされていて、再度手に取らざるを得ず、「やっぱり読みたい」という気持ちが強くなった。で、結局買った。」

この読者の方は「書店の裏技」と書いてらしたが、なるほどと思った。私なんかは天邪鬼なので、目にすればするほど買う気が失せたりもするが、普通は逆だろう。

多めに入荷したことへの対応として書店さんが工夫した甘い誘いなのか。そこまで提案しながらの営業だったのか。もしそうだとすると、私の行く道は果てしなく遠い。


まだまだ学んだことがいっぱいあるんだが、本日はこのへんで。(5月は決算で忙しい)

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