木枯らしが吹き季節が秋から冬に移る頃、色づいた木々は大変賑やかなのです。そんな木の葉のお話です。
「バス停前のケヤキ葉っぱさん、となり町まで飛んだらしいぞ」
「ホホーッ」
「電柱脇のイチョウ葉っぱさんも港の船の甲板で見たと、カラスが話しているのを聞いたわよ」
「そりゃすごい!」
パン屋前の桜の木では赤や黄色に着飾った木の葉たちがワイワイと何やら噂話をしていました。
一年の仕事を終えた木の葉たちは、おしゃれして見知らぬ遠くへ旅立つのを待っているのです。
「そろそろ風が吹きそうね」
暖かだった空気がヒンヤリしてきました。こういうときはいきなり強い風が吹きます。
サワサワと風が吹き出しました。木の葉たちは風に揺れながら、またおしゃべりを始めました。
「オレは海よりも山に飛んでいきたいなー、おまえは?」
「遠くよりも、どこまでも高く上ってこの桜の木や街を見てみたい」
木の葉たちはこれから始まる、風まかせの旅にドキドキしてきました。
ビューッ!
突然、強い北風が吹き起こりました。
ビュウビュウと風に吹かれて、長い間木の葉たちの家であった桜の木から、みんな大空に向かって飛び立ちました。
「じゃあねー!」 「元気でー!」
「素敵な旅をー!」
赤や黄色におしゃれした木の葉たちは青空にクルクルと舞い上がっていきました。みんなこれから始まる旅に胸を膨らまして・・・・
木の葉の飛び去った枝では、残されたいくつもの冬芽たちがちょっと寂しそうに木枯らしに揺れていました。
おわり
「バス停前のケヤキ葉っぱさん、となり町まで飛んだらしいぞ」
「ホホーッ」
「電柱脇のイチョウ葉っぱさんも港の船の甲板で見たと、カラスが話しているのを聞いたわよ」
「そりゃすごい!」
パン屋前の桜の木では赤や黄色に着飾った木の葉たちがワイワイと何やら噂話をしていました。
一年の仕事を終えた木の葉たちは、おしゃれして見知らぬ遠くへ旅立つのを待っているのです。
「そろそろ風が吹きそうね」
暖かだった空気がヒンヤリしてきました。こういうときはいきなり強い風が吹きます。
サワサワと風が吹き出しました。木の葉たちは風に揺れながら、またおしゃべりを始めました。
「オレは海よりも山に飛んでいきたいなー、おまえは?」
「遠くよりも、どこまでも高く上ってこの桜の木や街を見てみたい」
木の葉たちはこれから始まる、風まかせの旅にドキドキしてきました。
ビューッ!
突然、強い北風が吹き起こりました。
ビュウビュウと風に吹かれて、長い間木の葉たちの家であった桜の木から、みんな大空に向かって飛び立ちました。
「じゃあねー!」 「元気でー!」
「素敵な旅をー!」
赤や黄色におしゃれした木の葉たちは青空にクルクルと舞い上がっていきました。みんなこれから始まる旅に胸を膨らまして・・・・
木の葉の飛び去った枝では、残されたいくつもの冬芽たちがちょっと寂しそうに木枯らしに揺れていました。
おわり