タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

赤ちゃんの予防接種、受けてますか?

2017-12-18 21:35:29 | 産科
赤ちゃんが生まれたら、いっぱい予防接種を受けないといけませんね。
これは篠山市のスケジュールなのですよ。
お母さんには、せいぜい風疹の予防接種くらいですが、それでも痛い痛いと言われます。

もう1つ、表を見ていただきたいのが、下の国立感染症研究所の発表のものです。

数字ばかりで見にくいでしょうが、2008年頃と2012年と比べたものです。
小児期の髄膜炎という、怖い病気が有るのですよ。
罹患すれば予後が悪く、死んでしまったり、難聴、精神運動発達遅延、てんかんなどの後遺症を残すことが有るのです。

その髄膜炎の原因は主に3つの感染症で、Hib(ヒブ)と、肺炎球菌と、B群溶連菌です。
ヒブワクチンは2007年に導入され、2013年に定期接種化され、
その結果、2012年には導入前よりヒブ髄膜炎が92%も減ったという表です。
この表の続きも有って、2014年には100%減少、つまりほぼ壊滅です。

同じように、肺炎球菌による髄膜炎は、2010年に導入され、2013年に定期接種化され、
その結界、2012年には71%の減少です。

残るはB群溶連菌による髄膜炎ですが、
まだ予防接種が無いので、この間に逆に15%も増えています。
ということで何がわかるかと言えば、
予防接種さえ受けておけば、赤ちゃんが生命を落とす確率がぐんと減るということですよ。

B群溶連菌は、お産の時に、お母さんが膣に保菌していると、
産道を通る時に赤ちゃんにうつってしまうのです。
ですから妊娠後期になったら、お母さんの膣から細菌を培養するのですね。
みなさんの母子手帳にも結果が書いてあるでしょう?
無ければもらった結果を転記しておいてくださいよ。

それでお母さんがもし保菌していたら、
お産の時に、抗生物質の点滴をしています。
タマル産では、お産の費用は、いっさい追加料金無しにしているので、
保菌者への抗生物質の点滴も無料でしています。
これだけで1万円分くらい、トクをしているかもしれないのですよ。

ちなみに今日も大阪から里帰りの妊婦さんで、
大阪って、妊婦健診の助成費用が1回、3千円くらいしかないのですよ。
だから毎回、2千円くらい支払ってこられたのですが、
タマル産では妊婦健診も追加費用無しなので、喜んでおられました。
三田市の方も、丹波市の方も助成費用が少ないのですが、
タマル産では他院のように、追加費用はいっさい頂いていないですからね。

もう1つおまけで、
ヒブワクチンも肺炎球菌ワクチンも、不活化ワクチンなので、
お母さんからの移行抗体の影響を受けないので、
生後早期から注射できるのですよ。
それで生後2ヶ月くらいから打つようになっているのです。
麻しん風疹ワクチンや水疱瘡やおたふくなんかは生ワクチンなので、
お母さんからの移行抗体が有るので、注射する時期が遅いのですね。
ポリオは生ワクチンですが、飲み薬なので、移行抗体の影響は少なく、
わりと早い時期から飲めるのですよ。

ついでに言うと、ロタウイルスのワクチンは副反応には、
4ヶ月を過ぎた頃から腸重積という病気のリスクが高まるので、
その前に受けておくのです。

B型肝炎ワクチンは、以前はお母さんがキャリアーの時だけに打つものでしたが、
それでも完全には防ぎきれず、
お母さんがキャリアーでない、普通の子でも、自然にかかることが有り、
それを予防する目的で、最近になって、全員が打つことになったのですよ。

覚えることが多すぎて、困りますね?

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