タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

赤ちゃんは心配だらけ

2013-08-26 21:03:28 | 産科
久しぶりに見ると、赤ちゃんだった子たちが大きくなっているのを見てびっくりします。
そういえば、小さい時、祖父母の家に行くと、毎回大きくなったね~と言われたものです。
本当に大きくなっていたのかもしれませんね。

月曜日は1ヶ月健診の日です。大きくなった赤ちゃんはこちらから見れますよ。
http://www.tamar.jp/pg72.html

母子手帳の1ヶ月健診のページを見てください。
いろんな質問事項が載っていますね。
そん他の欄で、気になることを書いてもいいのが、興味深いですよ。
まったく書かないお母さんは、筆無精なのか、気になることが無いのかどちらでしょう。
逆に書ききれないくらい、たくさん不安なことを書かれるお母さんも居られます。

よくある心配は何でしょうか?
それは、ちゃんとお乳が足りているか、ということでしょうね。
お乳をあげたのにまだ泣き止まないとか、
飲み過ぎて吐いてしまうとかです。
最近のお母さんは家に赤ちゃん用の体重計を置かないのですね。
私など初めての子の時はレンタルの体重計を買いました。
初めの1ヶ月までは1日に30から40グラムも増えていたら充分です。
ですが体重まで測らなくても、皮膚につやが有るか、ほっぺたが丸々していないか、
ウンチはちゃんと出ているか、ぐずらないか、なんかでだんだんと分かってきますよね。

そういえば我が家の3番目の子は自宅出産なのですが、
生まれた時の体重さえ測りませんでした。
ですが赤ちゃんを抱いたり見たりしていると、見た目でたいてい体重が分かります。
だから本当を言うと、その程度でいいのかもしれませんね。
あまり心配しすぎないでいいですよ、ということです。
1つだけ注意をするとすれば、噴水みたいに吐く、という症状です。
こんな時は、胃の出口が狭まっていることが有るので、小児科を受診する必要が有ります。
幽門狭窄症と言って、手術をする必要が有る病気です。
とても稀ですけれど、それでもたまに有ります。

次によくある質問は乳児湿疹です。
3人に1人はなると言われます。本当の原因は何でしょうか。
お母さんのお乳の中の脂溶性の化学物質が汗から出ているのじゃないかとも言われます。
1ヶ月健診の頃がちょうどピークで、次の4ヶ月健診の頃には良くなっていることが多いのです。
だからこれも軽いなら放置してもいいのです。
ニキビみたいなのは、化膿していることが有るので、抗生物質が必要なことも有ります。
オムツをしているゴムのところが赤くなるなら接触性皮膚炎ですし、
オムツが直接当たらない、股関節のヒダの間なんかのウェットになりやすい箇所が赤くなるなら、
カンジダなどのカビを疑わないといけません。

あとはアザなんかも心配されるようです。
蒙古斑と呼ばれる薄いアザは大きくなると自然に消えます。
ですが最近は異所性蒙古斑と言って、通常のお尻なんかと違うところは積極的にレーザーを当てるようです。
イチゴみたいに赤い盛り上がったアザも注意してみましょう。
これはイチゴ状血管腫と言って、むかしは放置したものです。
これも1ヶ月健診頃に大きくなって、小学校に入るくらいには小さくなると言われていました。
最近はレーザーが普及してきたので、こちらも積極的に取る方向に有るようです。

赤ちゃんが夜起きて、昼間寝てばっかり、とか
たわいない不安も多いのです。
これらは、基本的に大きな問題であることは少ないですよ。
一番重要なことは、赤ちゃんの機嫌がいいかどうか、ということですからね。
常識的に判断して大丈夫です。
ただ、今はお婆ちゃんと同居していなかったり、他に質問する人が居なかったりするので、
不安になるのですね。そんな時は電話でも構いませんから質問してください。

最後に黄疸(おうだん)について、です。
退院する頃はみんな皮膚が黄色くなっています。
これを生理的黄疸と言います。
母乳性黄疸とも呼ばれるので、何かお乳だけでは悪いような印象を持ってしまいますね。
違うのです。赤ちゃんは古い胎児の時の赤血球を壊して、
新しい新生児の赤血球に変えていっているのです。
古い赤血球が壊れると間接ビリルビンという黄色い物質になります。
それで皮膚が黄色く見えるのです。これも肝臓の働きが亢進してくると自然に引くものです。

黄疸にはもう1つ種類が有って、先天性胆道閉鎖症という病気でも起こります。
詳しく言うと他にも種類は有りますが。
この場合も皮膚が黄色くなるのですが、こちらは直接ビリルビンというのが上がります。
さっきのは間接でしたね。今度のは直接。だから検査をすれば区別がつきます。
こっちはおしっこの色やウンチの色が白ければ疑われるので、母子手帳に色見本が付いています。
黄疸が出て、しかもウンチが白っぽければ、この病気で、なるべく早く手術しないと、
肝臓移植をしないといけないという怖い病気です。
タマル産では数千人生まれて、1人だけこの病気で治療し、
今ではすっかりよくなっていますよ。先日もそのお母さんが次の子を出産されました。

もう1つ、先天性胆道閉鎖症という病気が有ると、胆汁が出ないので、
腸からのビタミンKの吸収がされない。
それで止血作用の有るビタミンKが不足すれば、脳や消化管で出血したりします。
だから母乳性黄疸と先天性胆道閉鎖症による黄疸とでは機序も違うし治療も違います。
先天性胆道閉鎖症ではビタミンKを飲んだ方がいいのです。今はみんな飲んでいますね。
だからミルクには、わざわざビタミンKが混ぜてあります。
何も母乳が悪いのではないのです。ちょっと複雑でしたね。


いかなる難しいことがあっても
人を頼りとせず、
自分を信じる人間となりなさい。
自分を信じられない人は
神様も信じることはできません。
神様は最後の直前に達する時には、
いつも孤独な立場に立たせます。
しかしこの時こそ、
自分と神様が1つとなることのできる
最高の機会なのです。
 
   レバレンド・ムーン

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