タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

医学生理学賞受賞バンザイ

2018-10-01 21:07:08 | つれづれ
写真は、丹波市柏原町の勇翔(はやと)くん、8月27日生まれ。
「強くたくましく、夢に向かって羽ばたいてください。
3人目なのに一番しんどかったけれど、産んでしまえば幸せな充実感でいっぱいでした。
個室だったので、姉たちが来ても気兼ねなく過ごせました。」

お姉ちゃん2人に、弟くんという構成ですね。
優しそうなお姉ちゃんたちですから、姉弟で仲良く育ってくれることでしょう。

さて、今日の話題はノーベル賞でもちきりですね。
また京大教授からですね。
悪性黒色腫に効くということで評価が高い、オブジーボの研究ですよ。
ですがその他のガンにも広く効果が有るようです。

自分の免疫細胞を活性化させるのですね。
私も同じ研究棟で研究していたので、ノーベル賞級の研究成果を夢見ていましたよ。

中学の時に、学校の先輩ということで、ノーベル賞を受賞された江崎玲於奈先生が学校のチャペルで話してくださいました。
その時のオーラというものを、今でもはっきり覚えていますよ。
きっとこの時の経験が、私を研究者にしたのだと思います。
いえ、今は地方の一臨床医ですけれどね。
それはそれで重要な仕事ですよ。

ところで悪性黒色腫って知っていますか。
ホクロの大きなもの、それが悪性っていうことです。
形はいびつなので、見てすぐ分りますが、軽く考えてしまうことも有るのでしょう。
足の裏などによくできると言われますが、私が以前治療したYさんは、膣から外陰部にかけてでした。
60代前半だったと思います。

すごく珍しい病気なので、30年前は、治療も確立していなかったのです。
その方は当時発売されたばかりのインターフェロンの局所注射がよく効きました。
やはり免疫療法なのです。
私も自分に注射したことが有るのですよ。
高熱が出てちょっとしんどい薬ですが、抗がん剤ほどの副作用ではありません。

縮小したところで、放射線治療も追加しました。
普通の病院は外照射と言って、体の外から照射するのですが、
天理には膣の中に遠隔操作でコバルトを挿入できる装置が有ったので、これも活用したのです。
さらに手術で切除して完治です。

ただし、放射線治療後の手術は組織がもろくなるので、
太ももから、薄筋(はくきん)という名前の筋肉を取り出して、
これで膣の壁を補強したのです。
血管が根付いたら、太ももを元に修復するという治療でした。

悪性黒色腫の治療って、それくらいたいへんだ、という話をしたつもりですが、
今なら点滴するだけなのですね。
効果は有るけど、高価だとか。
でも手術やら、インターフェロンやら、放射線治療やらをすることに比べれば、
それほど高額とは言えないのかもしれませんよ。
それで、5年生存率が20%のものが、70%に上がるのなら、
たとえ自由診療でだって、希望するに違いありませんからね。

その女性は、元気になって帰られました。
その後、元気だったご主人の方が先に亡くなられたと聞きました。
長く年賀状を頂いていたのですが、あれから30年ですからね。

女性のガンにも、めずらしいものも有りますよ、というお話でした。
他には、膣のページェット癌なども治療した経験が有ります。
またの機会にお話しましょう。