タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

丹波市の産後ケア制度を初めて使いました

2018-06-27 21:42:57 | 産科
石川県小松市の楓葉(かえで)ちゃん、5月21日生まれ。
「姉妹仲良く、誰にでも優しく、元気に育ってください。
ゆっくりと過ごせましたが、後陣痛が痛かったです。
相談にのってもらったり、みなさん優しく接してくださいました。」

お姉ちゃんの時のお産も、タマル産に里帰りでしたね。
石川県も、むかし学会で行きましたよ。住みやすそうな所ですね。

今日は夜中から3人のお産が有って、食事をする暇も無いくらい忙しい日でした。
5人目で初めてタマル産で産まれたお母さんは、
上4人が女の子で、初めての男の子ということもあり、喜ばれていましたよ。

そのほか今タマル産では、入院中のお母さんで、産後ケア制度を利用して、
退院後に再度入院されている母子が2組居られます。
篠山市では昨年から、そして丹波市ではこの6月から制度が始まっています。
本当は4月からだったのですが、タマル産だけ対象からはずされ、遅れて6月からだったのでしたね。
制度が拡がってきたおかげで、産後に不安なお母さんも、遠慮なく入院することができて良かったです。

そんなに利用することも無いかと思っていましたが、
月に1人くらいは、不安の強いお母さんが居られます。
あるいは赤ちゃんの泣き声に、辛くなると言われます。
報道では連日のように、赤ちゃんを虐待死させた事件が流れ、
若い親が非難されることが多いですね。
でもね、これってお母さんを非難するのではなく、助けてあげなくてはならないことなのですよ。

今も、入院されているお母さんの1人は、赤ちゃんへのストレスが強く、
本当は心療内科を受診しないといけない程度なのですが、
本人だけでなく、お父さんも受診に抵抗感を持たれているのです。
妊娠中からタマル産で健診していたなら、もっと早く対応できたのですが、
産後1ヶ月を過ぎてからの初診なので、対応が遅れているのです。

かなり以前の、篠山在住のある看護師さんのことを思い出します。
当時は産後ケアなんてもちろん無かったのですが、
産後に過換気症候群を発症されたのです。
最近では過換気なんて言わなくなり、
パニック症候群とされているものでしょうか。

すぐに心療内科の受診を勧めたのです。
この時もそのお母さんはキョトンとされ、精神疾患だとは感じておられなかったようです。
報告によれば、授乳も中止し、薬物治療をされ、
回復してきた頃にお手紙をもらい、
「早くに過換気症候群を診断していただき、感謝しています。
なかなか見つけるのが難しい疾患なようです。」という類の内容でしたよ。
その後、職場内の保育所に子供さんを預けられ、仕事復帰されたようです。

軽い場合は、薬物治療無しで、授乳を中止せずに、相談だけでも回復される方も多いです。
だから精神科に行ったら、偏見の目で見られて、しかも授乳もできなくなる、
などとは初めから考える必要はないのですよ。

この春からの診療報酬改定で、産婦人科の重点項目は、
乳房ケアと、この精神科との連携治療の2点です。
だから厚生省もその重要性を分かっているようですね。

ただ丹波市さんは、産後ケアを利用できる対象を厳しく絞っておられるようですから、
もっと気軽に利用できるようにするために、
むしろ行政側がこの制度の価値を早く認識する必要が有るでしょうね。