タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

子宮頸癌検診の検診の間隔は?

2014-07-02 21:14:28 | 婦人科
篠山市東吹の和花(わか)ちゃん、5月27日生まれ。
「お花のようにかわいい笑顔で、たくさんの人を和ませてほしいです。
1人目の時より落ち着いて産めました。ウォーターベッドで楽でした。」

次の妊娠も、今回のように落ち着いて産みたい、ということでしたから、
3人目も有るかもしれませんね。

さて、水曜日は婦人科のお話です。
最初に、なぞなぞです。
子宮頸癌検診は何年に1回、受けるべきでしょうか?
実は答えはちょっと難しいのですよ。

子宮頸癌の原因が、ヒトパピローマウィルスであるというのは、かなり前から分かっていたのです。
だからウィルスに対するワクチンが開発されていたわけです。
何故か日本でだけは、中学生に打つはずのワクチンの副作用が高い可能性が有るということで、
積極的な接種は、今のところ見合わせられています。
ですが、近い将来、再開されることは間違いないでしょう。
そうなれば、また子宮頸がん検診の方法も変わるかもしれませんね。

今は子宮頸癌検診と言えば、膣の一番奥の、子宮のでっぱりを綿棒やプラスチックの器具で擦って、
それを固定液にポチャンと浸けるか、スライドガラスに塗り付けて固定するかです。
固定液に綿棒を浸ける方が、適正な細胞を採取できる確率が99.9%と良好なのです。
タマル産でも既に何年も前からこの方法に変更しています。
ちょっとコスト高では有りますが。
まだまだそうしていない施設も多いのですよ。

そして取ってきた細胞を顕微鏡で、細胞診検査技師さんが目で見て、癌や異形成を見つけるのです。
怪しい標本は、さらに病理の先生に回されて、確定されるのです。
ですが、一連の作業は人間の目なのですよ。
もしかすると見落としが有るかもしれませんね。

この細胞診という方法で、引っ掛かった場合は、
篠山市などの自治体のがん検診の場合は、要精密検査という恐ろしい手紙が、
皆さんのお家に届くのですよ。

この時、結果がASC-USという結果の時だけ、
ヒトパピローマウィルスが居着いているかどうか調べます。
そして本当に居れば、精密検査に回ります。
初めからASC-USより悪い結果であれば、いきなり精密検査に回るのです。

精密検査は、子宮の癌のなりやすい部位から双眼鏡のようなもので見ながら、
パチンパチンパチンと、3カ所、爪切りのような器具で標本を採取するのです。
これも人間の目で診断するのですけれど。
いきなり、癌ということは珍しく、異形成という結果が出ることが多いでしょう。
そうすると、半年とか3ヶ月ごとに再検査していくわけです。
ここまでが現在の日本のやり方なんですよ。

篠山市や丹波市なら、5年に1回、無料券が送ってくるようになったところですね。
でも5年に1回だけでいいのですか?
とりあえず助成が有るのが、ということですね。
その間は自費なりなんなり受けてくださいというスタンスです。

ところがですよ、最近、イタリアやオランダの大規模な調査で、
子宮頸癌のこれまでの細胞診というやり方だけでなく、
これもいきなり、ヒトパピローマウイルスが居るかどうかの検査も、
初めから一緒にやってしまえ、という方が遥かに、前癌病変での発見率が高く、
癌自体が減少したというのです。
この同時検査の方法で、2つの検査法のどちらも陰性なら、
なんと次の検診は5年後でいいというのですよ。
なんだ、篠山市の5年に1回の助成だけでいいんだ、なんて妙に納得するわけです。
ただし2つの検査が必要ですよ。コストもかかります。

実はすでに、日本でも120を越える自治体が、
島根県なんて県全体でですよ、この2つ同時検査を既にしているのですよ。
そして島根県の子宮頸癌の発生率は、半減したのですよ。
びっくりでしょう?
なら丹波市も篠山市も、そうすればいいじゃないですか。

これで最初の質問に答えられましたか?

後は行政の方次第ですね。
もしくは希望される方は自費になりますが、いたしますよ。
5年に1回でいいのなら、かえって安上がりですからね。
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