新装開店☆玉野シンジケート!

セクシュアリティ・科学・社会・映画

ヨーロッパで梅毒が流行

2008年01月03日 14時07分50秒 | セクシュアリティと科学ニュース
 一昨年はGay.comのニュースなどから科学的なものを拾って紹介していたのですが(全部は到底無理)、去年はあまりそういうのはやってませんでした。
 仕事が忙しくなるとどこまでできるか分かりませんが、今年はできるだけ紹介していきたいと思います。

 ヨーロッパで梅毒が帰ってきている

 と言う記事。

 イギリス、ドイツ、フランス、オランダの統計で軒並み増加しているとのことです。イギリスでは10倍、フランスでは16倍というすごい伸びをしめしています。

 これには、1996年からHIVの薬剤治療法(HAART)が開発されたことが大きく効いていて、どうもアンセーファーなセックスへのインセンティブが高まっているという分析がなされています。梅毒にかかった人の半数がHIVにも感染しているということで、相当なハイリスクです。何十年かセーフセックスをしたあとで、「セーフセックス疲労」を起こしているのではないかという分析をしています。
 対策として、ヨーロッパ最大のHIV慈善団体のTerrence Higgins Trustの職員が、ゲイチャットに入って、身分を明らかにして性感染症の相談に乗ったりしているのだそうです。

 

 日本でも、そういうのもある程度は効果があるかもしれませんが、先日の話題で覚せい剤などにはまっていらっしゃる方などは、そちらの快感のほうが上回っているので、そう簡単にセーファーセックスに移行してくれないような気もします。
 人間にとって、セックスというのはこれだけ危険な行為であるにもかかわらず、それをしないでいられないほどの報酬系が脳に組み込まれているのは、そうしないとこんな面倒なことやろうと思わないからでしょう。性感染の危険を犯し、相手を口説いて、ベッドに連れ込んで複雑な行為で感じさせたりして挿入するわけです。それだけの一連の行動をまっとうするには、どう考えても相当なエネルギーを費やします。そのためには、できたら報酬を与えておかないとそんなことしようとしない。さらに、お薬でそれを増幅することにもゲイは慣れてしまいましたから、いったん踏み込んだらその先に進んでしまった人も多い。
 そこまでしてセックスなんかしようと思わないでいられる人が、単に道徳性を持ち出してきて批判していればいいような問題でもありません。自分は、たまたま不道徳に走らなくても自尊心を維持できただけなのだし、たまたまそこまでしてセックスで人とつながっていたいと思わなかっただけです。たまたま脳の報酬系がゆるかっただけかもしれません。
 
 一定期間、セーファーセックスをしたり、感染しやすい人が感染してから数年たった後では、若年層を中心に性感染症に対する交代を持たない層が大勢コミュニティにも出てきているはずです。そうした未来ある層に感染が拡大しないよう、できるだけのことをするというのも、人生の先輩の役割だと思います。

 チャットで匿名相談をするというのはいいかもしれないですね。



 

 

最新の画像もっと見る