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12年前のフラッシュバック

2007年09月27日 13時03分14秒 | 映画雑感
 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』をみました。
 日本のアニメーションの技術はすごいですね。
 エヴァンゲリオンのシリーズはいままでちゃんと見てなかったのですが、今回見てとても面白かった。面白かったので、テレビシリーズもいまごろになってはじめてみて見ました。
 いまから12年前に作られた『新世紀エヴァンゲリオン』です。

 いまから12年前というと、ぼくは大学院での研究生活で、心身ともに衰弱し果てて、一旦、実家に帰っていたころです。
 決定的な挫折を味わっていて、自我の承認を求めてもがいていたころなので、碇シンジ君と同じような心理状態を生きていました。当時見ていたら、はまっていたか、拒絶していたかどちらかでしょう。
 男の子が大人になるのは簡単ではなく、多かれ少なかれ、「大人の期待にこたえておけばよい」という子どもの価値観から、「自分の足で立つ」大人の価値観へと転換していくためには、ある種の闘いが必要となります。その過程を、壮大な世界観に組み込みつつ描いていて、作家的空想にある種のリアリティを加えています。

 庵野監督は時代が抱えた闇を、作品化していったんだろうなと思います。
 闇=病みですから、それを摘出しようとする覚悟がこの作品に異常な迫力をくわえているのでしょう。なんらかの決定的な覚悟をしないままに映画が量産される現状のなかでは、それだけでも特筆に価します。
 とはいえ、これだけ人間の暗い面をあまりにストレートに描いていながら、人気を博しているというのは、不思議でもありますね。

 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のほうもなかなかおもしろいです。
 ぼくはあんまりにもみんな見ているものにはどうも興味を抱かない天邪鬼な人間なのですが、見るべきでした。



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