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『YES』創刊

2005年12月15日 00時59分26秒 | ゲイ・コミュニティ
 新しいゲイ雑誌というよりは、ゲイ・カルチャー雑誌あるいはゲイ・テイスト雑誌といったほうがいいかもしれませんが、『YES』が創刊されました。

 お正月の話題の映画『僕の恋、彼の秘密』の主人公役がをつとめるトニー・ヤン(イケメンだわ~ん♪)が表紙を飾っているところからして、いままでとはぜんぜん違います。
 そこからも予想できるように、内容がポップかつゴージャス。
 ゲイ・カルチャーが華やかなりし頃に、ぼくらが熱狂したマドンナやカイリー・ミノーグ、ボーイ・ジョージといった面々が誌面を埋めていて、ホントありえない感じです。
 ビジュアルも豊富なんだけど、これみよがしな男の裸なんてどこにもなく、ゲイ・ゲームスの裸にしろ、香水の特集の裸にしろ、健康的でアーティスティック。
 これなら、ゲイ雑誌といえどもこそこそする必要もありませんね。世の中まだまだ隠れホモもたくさんいる。しかし、そういう人たちだっていろいろな情報を求めています。いままでのゲイ雑誌はなかなか敷居が高かった人たちも、この雑誌なら気軽に手に取れますね。自宅に一冊転がっていても、息子がオカマだと疑う親はいないでしょうしね。

 海外のゲイ・マーケットについての特集記事があります。アメリカなど諸外国では、ゲイのマーケットがどんどん拡大してきている模様です。

 ひるがえって日本のことを考えてみると、明確なマーケットを形成するにはいたっていません(セックス市場を除くと)。ぼくらはゲイ・リベレーションを謳い文句に、さまざまな活動をしてきたつもりになっていますが、市場価値を持つ集団として成熟してはいないな、と。海外のゲイから見ると、日本のゲイは遅れてみえるに違いありません。こういう情報をみるたびにぼくらは恥じ入るしかない。海外のゲイのみなさんは先進的&進歩的です。日本もこれからそういう姿に追いつき追い越す勢いで、同性婚など社会システムの整備、市場の形成などをしていななくちゃいけないんだろうな。そう思うと、どこにそのとっかかりがあるのか分からないので、暗い気持ちにしかなれないんだけど……。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ゲイの顧客意識 (ブル)
2005-12-16 16:32:54
そうなんだよねー。リブはそれなりにマニア多いんだけど、商業意識のほうは欧米とはまるで差があると思います。



ブルが対ミクシィにあれほどこだわったのもそれなんだけど、日本のゲイは、自分が「お客様」になれる立場をもっと生かすべきだと思うの。

結局、情だの人権だので訴えられる部分ってのは限界あるんだから、会社なんか相手にした時は「ゲイも客だ」ってことを強調するのが一番いいに決まってる。



でも日本のゲイは、内在したフォビアと、主張しない国民性のせいか、むしろゲイを前面に出しすぎない商品を選ぶ傾向が強いんだよねぇ…。
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なんか・・・ (玉野)
2005-12-18 02:22:36
ゲイでフォビアを内面化している人が、またまた顕在化してきているように思います。

いままでもいたけど、アクティビズムの場には現れなかったのか、ブログ流行でそういう人たちが見えるようになったのかもしれないけれど、しばらく見かけなくなっていたフォビックな言説が、10年、15年前とほぼ同じ体裁で繰り返されている。

曰く「フツーのゲイ」だの「ゲイであることを外に向かってアピールするな」だの。

そういうフォビアをかかえた連中に合わせて商品開発をするなんてバカバカしくてやってられないわけです。

その意味では、こういうメディアがそういう層にアピールしてくれるといいのかなあと思います。



ゲイ・マーケットっていうのは日本では、かなり難しいかなあと思うんですよね。それはフォビアが強いというよりは、むしろ逆で一般社会の中に混ざって特に主張することなく生きていけるんですよね。ゲイ・アイデンティティの集団の輪郭が鮮明になりえない以上、マーケットとして成立するのも難しいかなと思います。
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