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『性教育の暴走』を読む 〈その5〉

2007年12月28日 17時20分29秒 | セクシュアリティ雑感
 今日は、補足的にちょっとだけ。
 第3章の終りに、自慰行為の奨励によって射精障害や自慰依存症になるということが書いてあります。

 性教協の教師たちが自慰を「悪いことではない」といって奨励した結果、「挿入はできるけれど、射精ができない、萎えてしまうがどうしたらいいか?」と相談に来る大学生がいて問題だというわけです。
 性教協の機関誌『SEXUALITY』でそういう例が取り上げられていて、性教協の代表幹事の村瀬さんが帝京大学医学部助教授の岡田弘さんとの対談の中で「正しいマスターベーションについて学習することが必要なのかもしれませんね。少なくとも「注意事項」ぐらいは。固いもので刺激したり、布団などに強く押し付けたりしないほうがいいんだよというような」といって、その大学生には「「回数を減らして、柔らかい刺激で射精するトレーニングをしたらどうか」と伝えたが、なかなか難しいようです」と言っています。
 さらに岡田さんが脅迫神経症(なにそれ? 強迫じゃないの?)からマスターベーションをしないと動けず、うちから出かけるにもマスターベーションしないと動き出せないことを悩む人からの相談を紹介しています。

 著者の桜井さんは鬼の首を取ったように、「膣内射精ができない男性、自慰をしないとなにも始められない男性……。「自慰行為は、いくらしてもいいんだよ」と、小さい頃から学校の教師に言われて育った結果がこれではないのか。」と論評しておられます。

 人間の性行動は本能化されていないので、トレーニングが必要です。男ならほとんどの人が経験していると思いますが、最初はセックスひとつ満足にできないのがヒトという種なのですね。最初は、なかなか射精できなかったり、逆に挿入したらすぐ射精しちゃったり、包茎の皮がむけて痛かったり、いままでやったことのない腰振りの動作がうまく行えなかったり、車体感覚がつかめず動かせないでいて、がんばって動かしてみたら抜けちゃって……みたいなのは、何ら珍しいことではないのです。そういう初心者の失敗は昔からいろんなところに描かれているではありませんか。いろいろ試行錯誤しているうちに、自分が感じる角度やら体位やらが見つかり、それがだんだん広がっていくものなのです。
 なので、こういう心配をなさる若者たちには「彼女/彼氏の協力を得て、日夜、腰振り&射精の練習をしなさい」としかいいようがないのである。あるいは上手な人とセックスをして自分のツボがわかり、コツがつかめると上手になっていく。

 桜井さんは女性なので、男の性についてはわからないんで頓珍漢なんだろうけど(とはいえ単なる私見を書物で披露されても困るのだが……)、性教協の男性の先生方は最初っから十全なセックスができたんだろうか? ぼくがいろいろ話を聞く限り、最初からうまくできたってほうが珍しい。挿入して射精したら、お子様ができましたってセックスだけを目指すんならそれでいいかもしれんが、お互いの深い満足感を目指すなら両者とも修行が必要なのである。


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