環屋

オタク漫画家環望のヘッポコBLOGなり。まあ見てって。

非実在青少年規制について

2010年03月15日 17時41分42秒 | Weblog
僕は締め切り前で参加できなかったんだけど、今日「非実在青少年規制」に対する反対集会がおこなわれた。
その模様は知り合いの作家、井上純弌さんがblogでざっと語られているのだけれど、かなり深刻らしい。
http://blog.livedoor.jp/keumaya/
繰り返し申し上げますが、この「非実在青少年規制」は作家だけが圧迫される条例ではありません。
むしろ読者の方がダメージを受けかねないものです。なぜならこれは規制対象がポルノだけではないからです。

例えば「CROWS」。「BIOHAZARD」。「ONE PEACE」だってヤバいかもしれない。
規制する側の恣意的な判断で、つまり「自分はこの漫画、ひどいと思う」と思えば、規制できてしまう、という安直さがあるのです。

ご存知の方も多いでしょうが、以前僕はコンビニで売られるエロ漫画雑誌で連載しておりました。
その頃から規制は頻繁に行われていましたが、不思議だったのは規制の基準がやたらとブレること。
理由は簡単で、担当者が替わると規制もブレルのです。
男性が検閲(と、僕は呼んでいた)担当だと、まあ普通の常識的な規制なのですが、女性、それもポルノなどを毛嫌いしてる方が担当だと、それこそ「?」と言いたくなるくらい厳しかった。
全20ページの漫画に占める「裸のあるコマ」の割合までも言い立てて、規制される。

つまりこの国に於ける規制には明確な基準が存在しなくて、携わる人間の個人的常識、もっと言ってしまうと「好き嫌い」で決まってしまうのです。あまりに流動的で、不安定。
そのため出版社は最終的に自主規制という名の「逃げ」を打たざるを得なくなります。
ヤバそうなものは一切扱わない。
コンビニ漫画はどれを読んでも同じ内容になってしまった。
それを苦痛と感じながら描いてる作家も少なくないと思います。
僕がエロ漫画から撤退したのもこれが理由の一つだったからです。
同じ事が一般漫画や、ゲーム、アニメで起きるかもしれない。これも問題の一つです。

何よりも納得いかないのは、誰とも知らない人から、自分が好きな作品を「読むに耐えない規制すべきもの」ときめつけられ、奪われるということ。
人間の社会はお互いの好き嫌いを許容し合う多様性こそが命だと信じます。
そして言論、出版の自由はその多様性を支える最も大きなファクターです。
規制が必要なら話し合い、解決すべきだ。一方的に決めつけていいものではない。

ながながと書きましたが、もしこれを読まれた読者の方は何か発言をお願いしたい。
他人事ではありません。あなたの好きな作品を守るため。
誰に何を発言すべきか、に関しては先ほどの井上純弐氏のblogにて具体的に書かれています。
http://blog.livedoor.jp/keumaya/

僕も少年画報社を始めとする出版社の抗議文書に連名で署名する事にした他、何人かの議員に手紙を書いてみようと思っています。 

何しろ時間がない。
後で後悔したくない。
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2 コメント

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提議自体おかしい (とーる)
2010-03-15 21:19:00
実在の子供が関係している児童ポルノ(写真集やDVD)は規制しなければならないと思うけど
アニメや漫画を対象とした非実在青年って
何でこんな言葉が出てくるのか不思議です
その上猥褻とする定義も曖昧(見た目や声で判断って・・・)
そもそもこんな事して無菌室で育てた者が社会に出た時にどうなるか想定しているのだろうか?
 
環さんも書いていますが仮に通ったらその審査する人間次第で勝手な善悪がつけられてしまう
毛嫌いする人は話全体を見ずに1コマでも血が出たり裸があるだけで有害だと思っていますしね
そもそも検閲事態が違憲ですけど
 
今回の話のちょっと前にレディースコミックやコンビニ系H雑誌のコミック版の成年マーク無しでの一般コミックとしての販売が問題になっているというのを聞いたけどこれも関係しているんでしょうね
でもこれだって自主規制という形で出版社やメーカーがしていたのだからそれで良いと思うのは素人考えなのでしょうが更なるゾーニングで良いのでは?(レディコミやコンビニ系を一般から成年扱いするとか)
 
これだけ話題に上がっても賛成派は自分の意見が全て善で反対派は悪なんでしょうね
東京で可決してしまった物は何れ他県でも可決されてしまうのが一番怖い
一時期の残虐ゲーム規制がそれだったし
同感です。 (HINAKA)
2010-03-16 20:49:39
HINAKAと申します。

環望先生、大変失礼ですが「非実在青少年」とは何か?御存じですか!?

今回の「都条例改正案」の最大の問題は、この新造語です。
これは、実在しないつまり人の頭で作り出されたものが、理由や動機・設定の如何に関わらず、「18歳未満に見える青少年は、その服装や行動が淫らであたり、扇情的であってはならない」もちろん水着や、ボディスーツ、レオタードなどの体の線画で足り、肌の露出が多い服装も不可。
更にそういうものを絵に描いたり、形にしたり、売買する事はもちろん、ただ持っているだけでも、罪に問われます。
本来は、他の方の記事ですが、拙ブログに詳細を移してありますので、そこからリンク先へ飛んでいただければより詳しい事が分かります。

アニメ監督に新房昭之氏は、明らかにアニメの「ダンス・イン・ザ・ヴァンパイア・バンド」で、作品としてこの問題挑戦、いや挑発をされていると思います。
何しろ、ミナ姫の設定自体が、完全にこの条例のターゲットですから……。明らかにこの条例案を作った人々は、ミナ姫のような存在を許せない!のだと、思います。

この手の問題が起こる時いつも不思議なのは、殺人犯が探偵小説やミステリ・ドラマの愛好者であって、それを参考にしたと証言しても、殆ど話題にすらならず、家の中にその手の本やビデオの類が、山積みになっていたとしても、裁判の証拠にさえ取り上げられません。
もちろん、報道されないでしょう。実際には、間々あるのですが……探偵小説のマネをしたからと言って、探偵小説が悪いとはまず絶対に言われないのです!

要するに、この条例案の提出者及び支持者は、先生が仰るように基本的にそもそも、アニメやマンが嫌いなのです。
科学的な裏付け、統計的なデーターも何もなく、悪者にされる作品こそ可愛そうです。これはもう文化差別、文化虐待と言っても言い過ぎではないでしょう。
ちなみに刑法の猥褻物陳列罪での、マンガの摘発においては、「精緻で現実的な描写」だと猥褻で「稚拙で非日常的な描写」であれば、この罪に当たらないとか……絵が上手い作家さんほど、危ないという訳です。

如何なる意味においても、公の機関が創作活動そのものを規制するのは、まさにファシズムと言えます。

また、長々と失礼致しました。

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