僕の宝物141F 僕の宝物☆

とうとう我が家にもクリスマスツリーが飾られる事になった

儒教の国の皇室で異国の宗教行事を行うのは如何なものか。。。
と訝る長老達の言葉でツリーどころかクリスマスとは無縁だったこの宮殿も
ジンが保育園に通い始めた頃から庶民の暮らしが少しづつ入って来る様になった

クリスマスが近づいたある日
ジンが保育園で作ったサンタ？らしき人形と
星飾り？らしきものを持って帰ってきた

サンタさんをツリーに飾らないとプレゼントが貰えないと
保育園で聞いたらしく、どうしても飾りたいと言うので、
急遽準備したクリスマスツリー☆

サンタ？と星？だけでは寂しいからと
可愛い天使や幸せの鐘、キラキラ光る豆電球
そして綿の雪を降らせると
いつもは落ち着いた佇まいの東宮殿が
パッと華やかになった


子供達が寝静まった夜
ジンのベッドに吊るした靴下にはキャンディーを一掴み
そしてキラキラ輝くツリーの下にはジンが大好きな絵本と
小さな駒付きの自転車を用意した

ジヨンとジウンはまだ小さいから無くてもいいか。
と思ったけれど弟妹思いのジンに

どうして僕だけなの？
ジヨンとジウンのは何処に有るの？と質問攻めに合いそうだから
可愛い二人にも新しい玩具を用意した

☆

クリスマスの朝早く
賑やかな声がパビリオンから聞こえて来た

パパ、サンタさん来たよ！

大きな声で言いながら僕の膝に駆け上ると
何度も嬉しそうに話すジン

重大事件の様だな（笑)

サンタがいると信じている今が
一番幸せな時なのかも知れないな？

良かったな☆と一緒に喜ぶ僕に
早く乗りたいよ～♡と目を輝かせながら催促するジン

よし、食事が終わったら一緒に練習するか?


♪

昼下がりの子供部屋

幼な子を抱きながら暖かい眼差しを向ける妻と
僕の膝で微睡む小さな息子

何の変哲も無い冬の穏やかなひととき。。。

長い間望んでいたこのひとときこそが
僕の大切な宝物☆




僕の宝物　　　　　完

僕の宝物140 ジン皇子☆

殿下こちらです。ハイ、キムチ♪
(〃▽〃)ｷｬｰ♪可愛い♪

では今度はこちらをお願いします♪


今日は毎週テレビで放送される皇室番組の収録日
いつも超自然体で演技も駆け引きも無いのに国民の人気を集めているジンが
一日密着取材を受けている

一時は皇室存続も危ぶまれていたのに
今ではジンの人気上昇とともに皇室の存続は確実と言われるまでに
なってきた。

ジンが生まれるまで？いや、僕が結婚するまでは
クールでイケメン、完璧皇子、又の名を「氷の皇子」なんて言われて
ジンの100倍、いや1000倍は人気があった僕なのに、、
今ではジンが我が家のアニ皇室の希望の星、アイドルになっている

カッコ良くて完璧でも結婚すると人気が落ちるのはショウガナイか、、
ま、お前も結婚するまでだから精々頑張るんだね。。(笑)


生まれて数分後から始まったジンの成長記録は今も定期的に
僕と広報部が撮っている

普段の家族と過す風景は僕が、保育園での様子や公の場所での記録は
広報部が手分けして撮る事が多いんだ

少しずつ増える家族の記録が嬉しくて昔は父上と一緒に観た映画鑑賞の時間も
今では家族団らん、記録映像鑑賞会になることが多い

家族で過ごす時の顔と公式の顔が違うのは大人の僕達だけで
ずっとカメラの中で育ってきたジンやチビ達にとっては
カメラは家具や玩具と同じで意識する対象でさえ無いのか
とても自然で可愛らしい姿が映っている

僕とチェギョンの子供だから可愛いのは当り前だけどね♡

３歳を過ぎて帝王学の勉強も始まり
小さいながらも将来の皇室を背負っていくジンは
最近公式の場所に出る事も多くなってきた

夏の避暑に出かける行宮や冬の恩陽やチェジュ島での静養の様子を公開したり、
皇室が力を入れている社会奉仕活動の一環で子供が参加する式典への出席など
小さいとは言え立派に皇族としての役目を果たしている

僕が子供の頃は自由に過せる雰囲気も環境もなかったけれど、
ジンは僕らの希望通り一般の子供達と同じ様に過ごせる時間を
持つ事が出来たので素直で明るく活発な子供に育っている、

それでも普通の子供とは違う環境にあるので
時には窮屈な事もあるけれど、そこは持って生まれた性格なのか
母親譲りの肝っ玉なのか何事も楽しんでやっている様だ

そんなジンが毎日見ているカメラに興味を示さない筈が無い！
僕がカメラや映画に興味を持ったのも皇太子になった時から
いつも被写体で有った事や父上の影響があったからだから
血は争えないという事か、、

とはいえ、いくら興味があると言ってもまだ3歳の子供に
高価なカメラを与えるのは良くないから、ちょっと見には
本物に見える玩具のカメラをプレゼントした

これが結構お気に入りで毎日ぶら下げて面白そうなものを見つけては
内官に肩車してもらったり地面に寝転んだり
自由に楽しんでいる

カメラに限らず色んなものに興味を示すジン。。
去年の夏だったか、昆虫採集に夢中になった時は
父親の面子と背中を死守しようと冷や汗を流しながら
頑張ったけれど、無理な物は無理、

結局父上の手をお借りしてなんとか父親の面目は保ったけれど、
今度はカメラが相手だからどんな事でも喜んで協力できる、
と高を括ったのが間違いだった、、、汗

自然体で動くジンの前になったり後になったりしながら
取材のカメラが回る中

取材陣と同じ様にカメラをぶら下げて
会う人毎にポーズを要求しモデル依頼するジン、
内人達も慣れた物でにっこり笑ってポーズを取る

その様子を撮影する取材チーム☆

執務の合間の移動時にちょうど出会った僕に
目を輝かせてジンが走ってきた

この目の輝き、、怪しい。。。汗
ちょっと警戒しながらも取材のカメラを意識して
自然風(笑)に装う僕、、汗

きっと何か有る、、ドキ＞＞＞


パパいいものを見つけたんだ♪喜♪
写真に撮るから持ってくれる？

僕は大事な事を忘れていた
ジンが凝り性だって事を・・


パパしっかり持ってて、、、

汗。。まだか＞＞＞涙。。

もう少し、、、ハイ、キムチ♪


そう。。。。
今僕の掌には蛇の抜け殻が乗っている

縁起がいいと聞いた事はあるけれど。。涙。

父親の面子を守る為、皇室の安寧を知らせる為に
逃げ出したいのを我慢して小さなカメラマンに笑顔で応えている

早く撮ってくれよ。。。泣。。
作り笑いも限界があるのだから・・・涙。。



翌朝、全国ネットで誇らしげなジンと作り笑いの僕の顔が写しだされた。。汗

皇室の将来は安泰の様だ。。●～* 沈

僕の宝物139 心の絵の具☆

午後の講義が休講になった

ジンを保育室に迎えに行くと
ちょうど自由遊びの時間

小さなお友達に玩具を貸してあげたり
絵本を読んであげたり
とても楽しそうだ

そんな様子を見る時、いつも思う事がある
子供には子供だけに判る言葉があるのかと

まだ上手く言葉を話せない小さな子供達なのに
アレ、コレだけで楽しそうに遊んでいる

きっと昔の子供の僕にはもう聞こえない
心と心で話しをしているのだろうな？

そんな真っ白な心のキャンバスに
お前はどんな夢を描いていくのだろう？

その小さな胸に大きな夢と希望が描ける様に
パパが絵の具を用意してあげよう

温かい色の心の絵具をね♪

お帰りジン☆
今日も楽しかったかい？

僕の宝物138 愛の大きさ☆（笑）

ただ今～♪
明日ね、良い事があるんだよ～☆

保育園から帰って来るなり
会う人毎に同じ事を言いながら入って来るジン

内人達は明日何があるのかを知っている
でも、嬉しそうに告げるジンに

何があるのですか殿下？と
優しくジンの答えを待っている

明日ね、お芋堀りなんだ～♪
パパとママと一緒にお芋を掘るんだよ

嬉しそうに応えるジンに
良かったですね～☆と微笑みながら応える内人達
小さな子供の相手をするのは案外大変だ。。汗

保育園の裏にある農園で今年も恒例のお芋堀りがある

毎年春に小さなクラスの園児達が父兄と一緒に
サツマイモの茎を植えて交代で水遣りをして育てて
秋に親子で収穫して焼き芋大会をするんだ

焼き芋♡
ママが大好きなんだよ～♡
とジンは保育園中の子供達に教えて回る熱の入れよう

焼き芋は庶民のオヤツの定番で園児達には普通の事なのだけど
宮ではあまり食べないからジンには特別な事の様なんだ

去年は出産直後で出席出来なかったママが
今年は参加出来るとあって
ジンはとても楽しみにしている

何日も前から
あと幾つ寝たらお芋堀り？と

ラブラブ♡ムードに入りかけの僕達の部屋に突入して来るから。。汗
ママがカレンダーにお芋の絵を描いて
毎日一個づつ色を塗ることにした

そして今夜その最後の一個のお芋の色を塗って
さっきから明日の準備に余念が無いジン

ママお手製のアップリケ付きのスモックに
刺繍入りの可愛い軍手と長靴
それに小さなスコップ

お土産のお芋を入れるからと
ジンの体ほどある麻袋まで用意して●～* 笑

準備万端整って後は寝るだけだと言うのに
いつまでも窓から空を見上げているジン

こんなに楽しみにしているのにどうも天気が怪しい
空には雲が掛っていて星も月も見えない

天気予報に寄ると明日は雨

明日が雨で延期になってしまうと
公務が入っているママが出席出来なくなる
だからどうしても明日がいいんだよなジン

明日、お芋掘り出来るよね？
ママも一緒に出来るよね？

何度も尋ねる息子が意地らしくて
なんとか雨が降らない様に出来ないかと考えても
魔法使いじゃないから妙案は浮かばない

タダ一つの方法を除いては(笑)

てるテル坊主を作ろう♪

てるテル坊主に効果が有るのかは疑問だけど
何もしないでいるよりもやれる事はやってみる
それが男だ！！なんて大口を叩きながら♪

以前部屋中をティッシュの洪水で溢れさせた前科のあるジンに
出されていたティッシュ遊び禁止令を今夜に限って一時解除して
二人でてるテル坊主を作った

多い方が効果があるかも？と
僕とママとジンの3人分

クレヨンで描いた顔は皆個性的（笑）だけど
ジンが気持ちを込めて描いたのだから
きっと祈りは届くと思うよ☆


翌朝、
ジンの願いが届いたのか天気予報のミスか
夜中に大急ぎで雨が降った様で
カーテンの隙間からは眩しい朝日が差し込んで来た

天気が心配でいつもより早起きしたジンが

ママ～お芋堀り出来るよ♪
と大きな声で喜び勇んで僕らのベッドに飛び込んで来た

良かったなジン☆
一生懸命作ったてるテル坊主のお陰だな！！

でも、そんなに嬉しいのか？ママが一緒だって事が、、
去年のお芋堀りもパパは一緒に行ったし、
毎日の送り向かえだってパパがしているのに。。。寂

ま、仕方ないか。。

物心着いて間も無く生まれたチビ達に
大好きなママを取られて寂しかったんだものな。。

兄としてのプライドが有るから素直に甘えられ無いけれど、
今日はママを独り占め出来るから嬉しいのだろう？
その気持ちは良～く判る！

でも忘れていないか？息子よ！
ママを独り占めしたいのはお前だけじゃないって事を＜悪＞！

この際どっちの方がママを愛しているのか形で示そうぜ♪
掘ったお芋の大きさで勝負だ(笑)

僕の宝物137 小さな幸せ☆

カラ　カラ　カラ

乾いた音をたてながら
落ち葉が名残惜し気に舞い踊る

乗馬の練習を終えたジンと僕
夕陽を背に家路を急ぐと
遠くから近づく見覚えのある影


お疲れ様、
今日はどうだった？


息子の頬を包む暖かい手

息子だけ？嫉妬・・・

でも自慢げに話す息子を見るだけで
僕の心は温かい


庭園の隅の吹き溜まりに
小さな煙が昇っている


焚き火か♪♪

温かいね～♪

もっと温まりましょうか？


焚き火の中から掻き出した
炭に塗れた十三里

コン内官には内緒よ☆


右の手はママ
左の手はパパ

３つの影が寄り添いながら
ゆっくり歩いて行く

小さな弟妹が待つ
温かい我が家へ