ブライアン.W.オーディズ ハヤカワ文庫
片面を太陽に向けたままの地球、「昼」の面は巨大な温室と化し、植物が動物を圧倒する。そこは大陸を覆いつくすベンガルボダイジュの巨木、樹の間を跳梁する移動植物と昆虫、そして僅かに生き残って樹上生活を営む人間たちの世界である。
ツチスイドリ、ダンマリ、ハネンボウ…、奇怪な植物がとびかう前半部分もいいが、妙に印象に残るのが、終盤で登場する昼夜の境目の世界。薄暗い大地で支配権を争う人間もどきや犬もどきたちの陰惨で猥雑なこと。そして、親(?)である木につながれると安心し、切り離されると自分らをいじめるものにも甘える半人半植物の「ポンポン」たち。ある種の人間の戯画だろう。
「夜」の面や、ベンガルボダイジュも恐れる海草の支配する海の世界はどうなっているんだろう…なんて考えると楽しい。
片面を太陽に向けたままの地球、「昼」の面は巨大な温室と化し、植物が動物を圧倒する。そこは大陸を覆いつくすベンガルボダイジュの巨木、樹の間を跳梁する移動植物と昆虫、そして僅かに生き残って樹上生活を営む人間たちの世界である。
ツチスイドリ、ダンマリ、ハネンボウ…、奇怪な植物がとびかう前半部分もいいが、妙に印象に残るのが、終盤で登場する昼夜の境目の世界。薄暗い大地で支配権を争う人間もどきや犬もどきたちの陰惨で猥雑なこと。そして、親(?)である木につながれると安心し、切り離されると自分らをいじめるものにも甘える半人半植物の「ポンポン」たち。ある種の人間の戯画だろう。
「夜」の面や、ベンガルボダイジュも恐れる海草の支配する海の世界はどうなっているんだろう…なんて考えると楽しい。
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