読後感

歴史小説、ホラー、エッセイ、競馬本…。いろんなジャンルで、「書評」までいかない読後感を綴ってみます。

造物主の掟

2006年09月10日 | SF
                       J.P.ホーガン   ハヤカワ文庫

 レムの『砂漠の惑星』、セイバーヘーゲン『バーサーカー』シリーズと並んで、「機械が勝手に進化した3大傑作」と、私が勝手に名づけているうちの一冊。
 土星の衛星タイタンに着陸した鉱物採取用の異星人の自動機械がトラブルを起こし、ノイズが入りながら自己修復機能が働くうちに、当初の目的を無視して環境に適応したやつが生き残っていく。そして中世のような社会に達したところで人類に遭遇する。
 3大傑作のうちで一番科学的に怪しいが、それはさておき面白い。機械人間たちが自分のメカニズムを知らないのは奇妙だが、「人類だって、細胞だの遺伝子だの理解したのは最近でねぇか!」という強引な理屈で読者を納得させる。正統派科学者とインチキ心霊学者とのコンビもいい。
 


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