MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』

2014-04-24 22:44:34 | goo映画レビュー

原題:『Captain America: The Winter Soldier』
監督:アンソニー・ルッソ/ジョー・ルッソ
脚本:クリストファー・マルクス/スティーヴン・マクフィーリー
撮影:トレント・オパロック
出演:クリス・エヴァンス/スカーレット・ヨハンソン/セバスチャン・スタン/アンソニー・マッキー
2014年/アメリカ

「敵」同士の信頼関係の可能性について

 組織内の「仲間」同士の信頼関係の脆弱さを問い、それはロジャースの親友だったジェームズ・"バッキー"・バーンズの出現により、「敵」同士の信頼関係の可能性を探ることにもなるのであるが、そんな本作は最初は国際平和維持組織であるシールド(S.H.I.E.L.D.)が所有する船内におけるテロリストたちとの攻防であり、やがてシールドの長官であるニック・フューリーを巡るカーチェイスを経て、クライマックスはヘリキャリアーと呼ばれる3つの航空母艦を舞台とする空中戦が展開され、バランスの良いストーリー展開が存分に楽しめる。「スパイ」や「ヒーロー」の次に「ミラクル」が描かれるという次作が待たれる。
 作品の冒頭でスティーヴ・ロジャースがサム・ウィルソンを何度も左から追い抜いて走っていく動機が、サムから教えられたマーヴィン・ゲイの「トラブルマン(Trouble Man)」を書き留めるスティーヴのメモ帳によるならば『ロッキー』(ジョン・G・アヴィルドセン監督 1976年)からの影響らしいところも笑える。


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「モーニング娘。」の転換期

2014-04-24 00:48:31 | 邦楽

“再ブレイク”モー娘。必要なのは「個性」 サブリーダー・飯窪が断言(ORICON STYLE) - goo ニュース
つんく♂がモー娘。5作連続首位を評価(日刊スポーツ) - goo ニュース

 3月30日にNHKBSプレミアムで放送された「モーニング娘。55スペシャル」は

自分がいつから「モーニング娘。」に興味を失ったのか知ることが出来たという意味で

良い企画だった。どうやら2006年の31枚目のシングル「歩いてる」までは

共感できていたのであるが、32枚目のシングル「笑顔YESヌード」から明らかに

楽曲のクオリティーが落ちたように聞こえた。つまり2006年から2007年の

境目でプロデューサーのつんくに何かがあったと思うのであるが、何があったかは

もちろん分からないし、楽曲のクオリティーの低下を補うようにダンスに本腰を入れた

ようにも見える。いずれにしても「モーニング娘。」のデビュー曲から55枚目の

シングルまで全て収録していたNHKの功績は認めざるを得ない。


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『シャドウハンター』

2014-04-23 22:13:37 | goo映画レビュー

原題:『The Mortal Instruments: City of Bones』
監督:ハラルド・ズワルト
脚本:ジェシカ・ポスティゴ・パケット
撮影:ガイア・ハルトリ・アンドレセン
出演:リリー・コリンズ/ジェイミー・キャンベル=バウアー/ジョナサン・リース・マイヤーズ
2013年/カナダ・ドイツ

続編の伏線でしかない作品を観る意義について

 主人公のクラリー・フレイだけに見える「PANDEMONIUM(伏魔殿)」という看板を出しているクラブに入ったことから始まる物語は、一緒に店に入った幼なじみのサイモン・ルイスとの関係が詳細に描かれることはなく、人を殺している現場を目撃されてしまったジェイス・ウェイランドとの関係が本当の「血族」なのかどうか最後まではっきりさせることもなく、そもそもヴァレンタイン・モーゲンステーンが聖杯(Mortal Cup)を手に入れて何をしたいのかもよく分からず、クラリーの母親のジョスリンが最後まで目覚めないのであるから真実が何なのか全く分からず、本作の全てが次作の伏線で終わってしまっている。2作目が製作されればいいのであるが、頓挫してしまうのであるならば、リリー・コリンズが醸し出す雰囲気だけは楽しめるが、それ以外は観る価値が無い作品と断定せざるを得ない。


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男性と女性の乗務員の差

2014-04-23 00:14:23 | Weblog

沈没船から真っ先に「逃亡」した船員 船長は身分隠し避難(聯合ニュース) - goo ニュース

 韓国南西部珍島沖で発生した旅客船「セウォル号」の船長のイ・ジュンソクは68歳の

契約社員だったらしい。月給270万ウォンで約27万円になるのだが、年収ベースだと

3240万ウォンで、これは他の船会社の60~70%でかなりの低賃金で、ちなみに

日本においては船員法で通常の労働基準法より厚遇が保障されているために、運航船の

船長の年収はおおよそ1000万円を超えるらしく、これでは普通の船長に期待する

ような行動を求めるのは酷であろうが、「乗務員の退避は最後。みんなを助けた後に

私も行くから」と言って亡くなった22歳の女性乗務員を思うと、やはり情けない。


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『8月の家族たち』

2014-04-22 22:18:00 | goo映画レビュー

原題:『August: Osage County』
監督:ジョン・ウェルズ
脚本:トレイシー・レッツ
撮影:アドリアノ・ゴールドマン
出演:メリル・ストリープ/ジュリア・ロバーツ/ユアン・マクレガー/クリス・クーパー
2013年/アメリカ

全く笑えないブラックコメディーについて

 「Life is very long.(人生はとても長い)」というT.S.エリオットの言葉の引用から始まる本作は、最初夫のビバリー・ウェストンの意図が良く分からないのであるが、酒を浴びるように呑んでも妻のヴァイオレットの意地の悪さに耐えられなくなり、ネイティブアメリカンのジョナ・モンヴァータを雇い、ホテルで自殺したところをみると妻との同居は相当苦しかったのであろう。
 ところでこの手の作品は、父親が自殺したとしても残された3人の娘たちが母親との関係の修復を試みて、大抵は成功するものであるが、本作は全く逆のメッセージをはらんでいる。最後まで残っていた長女のバーバラ・ウェストンも母親と口論の末に腹を立てて車に乗って帰ってしまう。途中でバーバラは車を停めて一旦車を降りて自宅がある方を見て、再び車に乗って帰ってしまうということはバーバラは一時的な感情に走ったのではなく、本当に母親を捨てたのである。つまり身内がそばにいて世話をするよりも赤の他人がそばにいた方が良い場合があるということなのである。
 この時に効果的に使用されている楽曲がエリック・クラプトン(Eric Clapton)の「レイ・ダウン・サリー(Lay Down Sally)」である。以下その和訳。

「レイ・ダウン・サリー(Lay Down Sally)」Eric Clapton 日本語訳

俺と一緒にここにいて欲しいと思うことで
都合の悪いことなんか何も無い
お前にはどこか行く場所があることは分かっているが
くつろいで俺と一緒にいてくれないのか?
本当に出ていくのか?

サリー、一息つけよ
俺の腕の中で休んでいけよ
話し相手が欲しいと思わないのか?
サリー、一息つけよ
急いで出ていく必要はないだろう
俺はおまえと話すためだけに一晩中努力しているんだ

太陽はまだかろうじて昇ってはいない
俺たちの頭の上にはまだ月や星がある
ビロードのような空の下では
愛が全てなんだ
俺と一緒にいてくれないのか?
本当に出ていくのか?

俺は朝の光が見たい
夢のようにお前の顔を染める光を
だから別れを告げて出ていかないで
心配事は脇に置いて俺と一緒にいればいい
本当に出ていくのか?

 「レイ・ダウン・サリー」は作品の冒頭とラストと2回流れる。歌詞の内容から判断するならば、ヴァイオレットの気持ちを表しているはずだが、家族の全員が去ってしまうのである。ようするに本作はブラックコメディーなのであるが、笑えるような演出にはなっていないと思う。

Eric Clapton - Lay Down Sally (Live)


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「視聴率」の本当の意味

2014-04-22 00:19:21 | Weblog

「ごきげんよう」今年最低2・5% いいとも後番組不振の余波?(デイリースポーツ) - goo ニュース

 最近はビデオで録画して観る人が多くなっているから視聴率は当てにならないと言って

いたのは確か先日のフジテレビの「ワイドナショー」の鳥越俊太郎だったと思うが、そもそも

視聴率を取っている理由は、その数字の良し悪しで企業はスポンサーに付くかどうかを

決めるのであり、ビデオで番組を観賞する人は間違いなくCMを飛ばして観るわけだから、

視聴率は事実を反映していないことは確かなのではあるが、スポンサーが本当に

知りたいことは番組を観ている人の数ではなく、CMを観ている人の数なのだから、

そういう意味で「視聴率」を計ることは必要なのである。


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ビットコインの存在意味

2014-04-21 22:20:08 | Weblog

ゴックス社、預かり金の返還困難 米で10億円トラブル(朝日新聞) - goo ニュース

 先週のテレビ朝日の「ここがポイント池上彰解説塾」の池上彰の解説で、仮想通貨

ビットコインの仕組みがようやく分かったような気になってきた。ビットコインという

ものはゴールドと同じように量が限られていることが一つで、もうひとつのポイントは

ビットコインは取り引きされるたびに、ビットコインの所有者全員に履歴が分かるように

なっていることが、ビットコインが信用するに足りるようになっているようである。

アフリカにあるような国の通貨よりも信頼できると言われれば確かにその通りではある。

ところで今回のようにアメリカのような国によって差し押さえられた場合はどのように

対処するのか決まっているのだろうか そもそも国に干渉されるわずらわしさを避ける

ために仮想で作られた通貨だったはずなのにこれでは意味がない。


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『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』

2014-04-21 22:01:38 | goo映画レビュー

原題:『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』
監督:高橋渉
脚本:中島かずき
撮影:梅田俊之
出演:矢島晶子/ならはしみき/藤原啓治/こおろぎさとみ/真柴摩利/武井咲/コロッケ
2014年/日本

「腕力の時代」の終焉について

 家庭での立場が弱くなってしまった日本の父親達の復権を目論む組織である「父ゆれ同盟(父よ、勇気で立ち上がれ同盟)」の陰謀に巻き込まれた野原しんのすけの父親であるひろしがメインキャストを務める本作は、子供の付き合いで仕方なしに観に行っていたはずの父親の方が夢中になって観てしまうような作風である。
 ギックリ腰の治療のために行ったエステサロンでロボットにされたひろしは、当初は「ロボとーちゃん」として家族から重宝され、しんのすけたちの命を救うなどするのであるが、その「腕力」の強さは「ヒゲ」を付けることで慢心を持つに至り、必然的に過去を振り返ることになる。おそらくそれは例えば、五木ひろしが改名して全盛期を迎える高度経済成長の昭和の時代であり、1970年代の演歌が身に染みていた頃で、しんのすけたちが演歌に「感染」する際の虹色は当時流行った「サイケデリック」ではあろうが、それほどあくの強いものではなく、例えば以下のようなイメージである。

 クライマックスの生身のひろしと「ロボとーちゃん」の腕相撲対決は、予想に反してひろしが勝つのであるが、それは腕力によるものというよりも、「腕力の時代」が終わっていることをロボとーちゃんが察したからに他ならないであろう。


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『ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の探検隊』

2014-04-20 22:15:52 | goo映画レビュー

原題:『ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』
監督:八鍬新之介
脚本:清水東
撮影:末弘孝史
出演:水田わさび/大原めぐみ/かかずゆみ/木村昴/関智一/夏目三久/小栗旬
2014年/日本

 日本のアニメーションにおける「文字」について

 『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』(柴崎貴行監督 2014年)と関連づけて本作について言及するならば、バウワンコ王国に侵入したドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんとペコが指名手配され、ポスターが貼られているのであるが、彼らの顔写真の上に書かれている「WANTED」という文字が何故か上下逆さまに書かれており、これはその後に現れるとされている謎の5人組と関わっている伏線なのかと思いきや、その後、この逆さまのロゴについて何も種明かしをされることはなく、どうやら演出上のミスのようである。
 子供向けの作品は文字を使うことが比較的少ないために、このようなミスが起こるのかもしれないが、逆に言うならば『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』(高橋渉監督 2014年)のように文字が頻出する作品は出来が良いということになるが、それは稿を改めて述べることになる。


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『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦feat.スーパー戦隊』

2014-04-19 22:20:39 | goo映画レビュー

原題:『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦feat.スーパー戦隊』
監督:柴崎貴行
脚本:米村正二
撮影:いのくままさお
出演:井上正大/半田健人/佐野岳/桐山漣/小林豊/高杉真宙/雛形あきこ/板尾創路
2014年/日本

 話の大きさと決着の仕方の小ささのちぐはぐさについて

 クライマックスの初代仮面ライダーと鎧武の対決は、「おまえたちの優しさは生ぬるい」という本郷猛の言いがかりから始まったのであるが、まさか一輪の花によって穏便に終了してしまうとは、初代仮面ライダーがロマン主義だったとは想像もしていなかった。
 個人的には昭和ライダーたちを概観することが出来ただけでも良かったとは思うが、仮面ライダー1号(本郷猛)を演じた藤岡弘、は今でもよく見かけるからともかくとして、Xライダー(神敬介)を演じた速水亮は変身するまで分からなかった。
 いずれにしても本作は「きらいだ」の「ら」と「だいすき」の「す」の区別がつかない程度の子供たちのために制作されたものである。


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