原題:『White Noise』
監督:ノア・バームバック
脚本:ノア・バームバック
撮影:ロル・クロウリー
出演:アダム・ドライバー/グレタ・ガーウィグ/ドン・チードル/ラフィー・キャシディ/アンドレ・ベンジャミン
2022年/アメリカ
究極の竜頭蛇尾について
作品の冒頭ではハリウッド映画内で描かれる車のクラッシュシーンが解説され、主人公のジャック・グラドニーはアドルフ・ヒトラーを研究対象にしている大学教授で、同僚のマレー・シスキンドは42歳で亡くなったエルヴィス・プレスリーを研究対象にしている。近所では有害な化学物質の入ったタンクを運んだ列車とタンクローリーが衝突して住人が避難する騒ぎが起こる。そんな時、ジャックの妻のバベットが「ダイラ―(Dylar)」と呼ばれる謎の薬を服用していることを知るのだが、それは死の恐怖を抑制するための薬で治験の段階で新聞広告を見たバベットは自身で志願して服用していたのである。
これだけ「死」を匂わせる要素を詰め込んでいるのだが、後半になってバベットに「ダイラ―」を処方していた「ミスター・グレイ」と対峙したジャックは呆気なく銃でミスター・グレイを銃殺し、自殺したように見せかけて終わってしまうのである。新薬の治験をミスター・グレイ一人で行なっていたということで、どんだけ竜頭蛇尾なんだといった感じの作品なのである。
せっかくなのでエンドロールで全員で踊っていたLCDサウンドシステムの「ニュー・ボディ・ルンバ」を和訳しておきたい。
「New Body Rhumba」 LCD Soundsystem 日本語訳
下りのエスカレーターを
極寒の中有まで上る
上がれ
君自身を拉致しろ
警察官は呼ぶな
紙幣だけを集めればいいんだ
5,10,20,50
100,100,100,100と君は得た
僕には新しい身体が必要だ
僕には新しい身体が必要だ
僕にはちょっとした体型と風格が必要なんだ
僕には新しい身体が必要だ
僕は誰も必要としないけれど
僕は一人で睡眠から逃れることはできない
僕は自分の居場所を間違えている
君が家に放っておくことができない強欲な犬のように
僕は置き間違われているんだ
僕には新しい恋人が必要だ
僕には新しい仲間が必要だ
僕はいつまでの長く外にはいられない
ただ僕たちが欲しいものをくれればいいんだ
僕は決してそれを否定しない
解放を否定する点はない
防衛は出費によって僕たちをヘトヘトにさせる
終わりがないから
僕はそれを隠さないように努めている
僕はそれを買わないように努めているけれど
君はフェンスの上に座ることはできない
それは間違いない
僕は間違って格付けされている
僕は間違って格付けされているんだ
貢献させられ仕掛けられ
荷札をつけられ虱を取るために水洗いされる
一度も警告はない
僕には警告が必要だった
僕は満足しようと努めているけれど
僕は胸を張る
だから僕たちが欲しいものをくれればいいんだ
どうか僕たちが欲しいものをくれ
高速道路の料金所には200マイルを越える長い列
グッズには3000マイルの長い列
君はプロテインをさらに摂取したいのか?
君は僕に一日の生活様式を聞きたいのか?
僕には新しい身体が必要だ
僕は自分の必要なものを言うために
新しい派閥が必要なんだ
僕の道のりはさらに延びているけれど
その残された間隔が大きい故に切望するんだ
だからこれで終わりだ
終わりに近づいてはいる
僕たちの美しい友人に別れを告げよう
よろよろしたまま
苦しんだものの快方に向かっている盲目者
僕たちの美しい友人と目を近づけよう
だから僕には新しい愛が必要なんだ
終わりを取り除き
僕たちが君を水場まで送るために
僕には新しい身体が必要なんだ
君の瞳の中の光を弱めて欲しい
君の瞳からの発光を
ヴェールから突き抜けると
誰もがその光を目にする
光源が大きくなると
光はピンク色に変わる
そうでなければうるさすぎる
もしも君が見上げるならば
周辺は見えなくなる
地球と木々が君を取り囲み
君の逃亡を空や星に導き
地球は置き去りにされる
君の足が宙に浮いたように感じるから
今空気はより冷めてきていて
肺の中の空気が薄くなってきていて
口の中はよりきれいになっている
彼らは全員で何と言っているのか君には分かる
「下を見るな」「下を見るな」
でも彼らはベッドのそばでいつもわがままも言う
「光の方には行くな」
だから光の中へ行け
LCD Soundsystem - new body rhumba (from the film White Noise) (Official Audio)
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/bikenews/entertainment/bikenews-286484