MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ROCKERS(完全版)』

2014-02-16 19:33:39 | goo映画レビュー

原題:『ROCKERS(完全版)』
監督: 津島秀明
撮影:井出情児
出演:FRICTION/LIZARD/Mr.KITE/MIRRORS/PAIN/S-KEN/ザ・ストラングラーズ
1979年/日本

世界と日本のロックバンドの差について

 当時の日本のニュー・ウエーブ系のロックバンドを観ることが出来るという点では大いに評価できるのであるが、最後にザ・ストラングラーズが出てきた途端に、そのレベルの違いを思い知らされる。それは楽曲や演奏の良さのみならず、例えば、『噂((Rumours)』というアルバムが大ヒットしていたフリートウッドマックの音楽に対して「毒にも薬にもならない」と切り捨てるストラングラーズのメンバーとは対照的に、日本のバンドのメンバーが矢沢永吉を一刀両断することはない。その上、ストラングラーズのメンバーは三島由紀夫の切腹にまで言及する聡明さを披露し、これでは日本のバンドは世界に通用するはずはないであろう。
 ところでそのようなシーンが映し出される本作のテーマなのであるが、サブストーリーとして、とある会社で働いていた男がリボンを付けた箱を持ち出して脱糞を残して会社を去る。それはロックに目覚めた男が会社という組織に見切りをつけるという展開になるのかと思いきや、ラストで箱から取り出した銃でギターを撃ち、ギターが血まみれになるところを見ると、どうやら日本のロックに絶望したのではないのかと思えてくるのである。


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