MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『劇場版 空の境界 未来福音』

2013-10-29 00:21:02 | goo映画レビュー

原題:『劇場版 空の境界 未来福音』
監督:須藤友徳/あおきえい
脚本:桧山彬
撮影:寺尾優一
出演:坂本真綾/鈴村健一/本田貴子/井口裕香/瓶倉光溜/石田彰/金元寿子/東地宏樹
2013年/日本

意思の力で見る未来 

 本作は最初に『劇場版 空の境界 未来福音 extra chorus』が上映された後に、本作が上映されるという変則的な構成になっているのであるが、例えば、黒桐幹也がしばらく家を空けるために飼っている猫の世話を両儀式に頼みながら一週間も猫の世話をさせられたなどの何気ないスケッチとその後の本編で展開されるスリルとサスペンスの物語の緩急が効果的だと思う。
 「未来視」を巡る物語は大きく「予測」と「測定」の2つに分類され、瀬尾静音に代表される「予測」と倉密メルカに代表される「測定」がそれぞれパラレルに描かれることになる。両儀式に痛い目に遭い「測定」の不可能性を思い知らされた倉密メルカは10年後に瓶倉光溜として絵本作家として活動する傍ら、借金の返済代わりに両儀家専属の興信所の探偵として働くことになる。ある日、娘の両儀未那を連れて、「怪しい人物」として久しぶりに観布子の母のもとへ足を運ぶ。もはや「占い」など信じていない瓶倉光溜は観布子の母の言うことに無関心を装うが、娘の未那は好奇心旺盛で彼女に色々と訊ねる。ところが母は視力を失ったために未来が見えないと告白するが、いつまでも占い稼業はこの場所で続けると宣言する。結局、未来は意志の力に置き換わるのである。


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