MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

麻生太郎の晩節の汚し方について

2018-09-25 00:57:03 | Weblog


(川田雅浩撮影)

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 ことの発端は石破茂が8月8日の夜の静岡県袋井市の講演で「『終わったあとは干してやる』とか、『冷や飯を覚悟しろ』などというのはパワハラだ。自民党はそんな政党ではなかったはずだ。みんな同志なのだから、終わったら『冷や飯』もなにもあったものではない。」と発言したことで、それを受けて8月19日の夜の秋葉原の街頭演説会において麻生太郎は以下のように語っている。

「今から12年前、初めてこの秋葉原で安倍晋三候補、谷垣禎一候補、麻生太郎、3人で総裁選挙をやらせていただいて以来、今日まで驚くなかれ、ここで8回総裁選、衆院選、参院選の応援をやらせていただきましたが、雨が降ったことは1回もない。そして、2人そろってここに出てきて、その選挙で負けたことは1回もありません。1回だけ、安倍晋三候補1人で来た東京都議選だけ負けた。2人そろって負けたことなどないのです。2人そろって雨が降ったこともない。秋葉原はこの安倍晋三候補にとっては極めて縁起のいい、大事な大事な場所です」

「いよいよ、この総裁選も明日が投票日となりました。今、いろんなことが言われてますけど、皆さん思い出してください。安倍晋三候補の後を受けて、麻生太郎と福田康夫候補と2人で総裁選挙を争ったことがあります。麻生派は、たったの15人。15人よ。あとは全派閥福田候補だった。その時に、私どもは何と言ったか、今でも覚えてますよ。間違いなく、俺についてくる人は必ず冷や飯を食いますと。冷や飯食うことを覚悟でついてくる人だけ、一緒にお願いします。そう申し上げて付いてきたもらった人が安倍晋三、中川昭一、菅義偉、甘利明。そういった人たちに付いてきてもらって、われわれは間違いなく、その1年間、残り1年間全く無役で終わりました。いいじゃないですか」

「冷や飯は冷や飯なりにうまい食い方があります。焼き飯にしたってうまい、お茶漬けにしたってうまい。冷や飯は冷や飯なりの食い方があるのだとそう申し上げて、明るく選挙をやらせてもらったと思っています。今、何となく冷やしておいて、いろいろな冷や飯を食わせるなとか何とかかんとか言っている人たちがいるみたいですけど、覚悟が足りないんだ覚悟が。冷や飯食うぐらいの覚悟を持って戦って当たり前でしょうが。そういう覚悟のない人に、われわれは間違いなくこの日本という国のかじ取りを任せるわけにはいかない。そう確信しています」

 麻生の発言を検証してみたい。最初の発言は2006年の自由民主党総裁選挙のことである。候補者は安倍晋三、谷垣禎一、麻生太郎の3人で、安倍の圧勝だったのだが、麻生は第一次安倍内閣で外務大臣になってしまっている。
 二番目の発言は2007年の自由民主党総裁選挙のことである。候補者は福田康夫と麻生太郎の一騎打ちで福田が勝ったのであるが、麻生は福田康夫内閣の自民党幹事長に就任してしまっている。「われわれは間違いなく、その1年間、残り1年間全く無役で終わりました。」という発言に関して、事実を忘れているならば78歳の男の認知症を疑うべきだし、確信犯として嘘をついているならば、どうせ誰も確認しないだろうという麻生の有権者に対する侮蔑が感じられるので、ここに本当のことを書いておく。
 ということで三番目の発言なのだが、総裁選で敗れたとしても麻生は「冷や飯」を食ってはおらず、冷や飯を食ったことがない人間が偉そうに冷や飯の食い方をレクチャーしているところが笑えるのであるが、結局、「自民党はそんな政党ではなかったはずだ」という石破の認識の方が正しいのである。そもそも「冷や飯食うぐらいの覚悟を持って戦おう」というのは負け戦が分かっている候補者が支持者に対して言うことで(二番目の発言で麻生本人もそう言っている)、勝ち組の麻生が言うと逆に負け惜しみのように響いてくるから面白い。

 決して賢くはないのにレクチャーは好きなようで、9月21日の記者会見で麻生は自分の頭の良さを示したい一心で無理をして事前に一生懸命数字を覚えてきて、石破が平成24年の総裁選の決選投票で獲得した89票よりも、今回の石破の議員票が73票と少なかったことを指摘して、議員総数が24年より増えていることにも触れ「常識的に89が178ぐらいにならないとおかしい。(議員総数が)倍に増えているんだから」と強調しているのだが、国会議員が「常識的」に増えたり減ったりすることがないことくらい麻生のキャリアからすれば理解できそうなのだが、バカな振りをしているというよりも正真正銘のバカなんだろうけれど、そんな人が石破に関して「善戦」と報じたメディアについては「いろんな新聞が書いているけど、よく選挙を知らない人が書いているのか、よく分かっていない人が書いているのか」と発言しており、自分が飛ばした「ブーメラン」が全て自分に刃を向けて戻ってきているのに、そのことに本人が全く気がついていないところが大いに笑えるから個人的には晩節というものがどれくらい汚れるものなのかとても興味があるから留任させて引き続き笑わせてもらいたいと思う


(2018年10月24日付毎日新聞)


(2018年11月11日付毎日新聞)


(2018年11月18日付毎日新聞)


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