MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『黒い神と白い悪魔』 80点

2011-06-28 00:19:20 | goo映画レビュー

黒い神と白い悪魔

1964年/ブラジル

ネタバレ

神と悪魔は判別できない

総合★★★★☆ 80

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 『黒い神と白い悪魔(ポルトガル語の原題:太陽の大地の中の神と悪魔)』はギターの弾き語りを通して物語の粗筋が語られていくという特異な演出のみならず、作品の冒頭で、主人公で貧しい牛飼いのマヌエル・バケイスが飼っていた牛が死んだために、地主の牧場へ行き、金の工面を求めたところ自分の責任にされたために、マヌエルは地主を殺してしまうのであるが、その諍いの最中にいつの間にか場面がマヌエルの家の前に変わっているという大胆(無謀?)な‘ジャンプカット’が使われている。
 その際にマヌエルは母を殺されたために、妻のローザを連れて、多数の人々を引き連れていた聖セバスチャンに救済を求める。聖セバスチャンを脅威に感じた地主たちはアントニオ・ダス・モルテスを殺し屋として雇う。
 聖セバスチャンを盲信しているマヌエルは彼に言われるままに石を担いで山の斜面の坂道を降りていくような‘修行’をこなしていくが、生け贄として赤ん坊を殺されたローザは聖セバスチャンを刺し殺し、再びマヌエルと逃げることになり、その直後、アントニオ・ダス・モルテスは‘信者たち’を皆殺しにする。
 マヌエルとローザは逃げる途中で出逢った、盲目の男の仲介で義賊カンガセイロの長であるコリスコと彼の妻のダダの一味に加わるが、マヌエルが周囲を探索している間にローザとコリスコは密通してしまう。
 ラストで4人はアントニオ・ダス・モルテスに見つかってしまい、コリスコは呆気なく殺されてしまう。マヌエルは子供を作って幸せになろうと約束していたローザと必死になって走って逃げるのであるが、何故か最後は転んだローザを置き去りにして一人で走って逃げていってしまう。
 ユニークな演出で、その粗さが魅力だとは思うが、マヌエルが石を担いで山の斜面の坂道を降りていくシーンなど意味も無く妙に冗長なシーンがある。この作品はグラウベル・ローシャ監督が1969年に制作した『アントニオ・ダス・モルテス』に繋がる(のか?)。


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