MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『シグナル 月曜日のルカ』 20点

2012-06-21 21:58:13 | goo映画レビュー

シグナル 月曜日のルカ

2012年/日本

ネタバレ

ユカになれなかったルカ

総合★☆☆☆☆ 20

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 『月曜日のルカ』というタイトルを敢えてつけるということは、当然ながら1964年の中平康監督作品『月曜日のユカ』を意識していないはずはないだろうし、実際に、主演の三根梓の佇まいは『ユカ』のヒロインである加賀まりこを想起させるし、西島隆弘の目の大きさも中尾彬の大きな目を思い出させる。三根梓が演じる映写技師のルカはある事件が原因で3年間映画館に引きこもりであり、加賀まりこが演じたユカの奔放さとは正反対という設定まで整えられているにも関わらず、現在の加賀まりこや中尾彬を本作に引きずり込むこともなく、「銀映館」で『月曜日のユカ』が上映されることもなく、かといって『悪名』(田中徳三監督 1961年)の勝新太郎や『ガメラ対深海怪獣ジグラ』(湯浅憲明監督 1971年)のガメラのような観客を驚かせるようなキャラクターも不在で、演出次第では傑作どころかある種の‘事件’にさえなりえたはずなのだが、そこまでこなすことは監督の手に余ったということだろうが、ようやくルカが映画館から外へ足を一歩踏み出した理由が、館外用の映写機であり、映画作品そのものではなかったというところに『ニュー・シネマ・パラダイス』(ジュゼッペ・トルナトーレ監督 1989年)のような上映作品のシーンに対するこだわりを見せることもなく、最後は宮瀬恵介も上映よりも大学の試験を優先させてしまい、つくづく残念な結果になっている。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 誰が見ているのか「火曜曲!」 | トップ | 原の強引な“バッティング” »
最新の画像もっと見る

goo映画レビュー」カテゴリの最新記事