MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ガンヒルの決斗』

2021-03-08 00:59:53 | goo映画レビュー

原題:『Last Train from Gun Hill』
監督:ジョン・スタージェス
脚本:ジェームズ・ポー
撮影:チャールズ・ラング
出演:カーク・ダグラス/アンソニー・クイン/アール・ホリマン/キャロリン・ジョーンズ
1959年/アメリカ

ゴタゴタの決斗の真意について

 主人公のマット・モーガンの妻でネイティブアメリカンのキャサリンを殺した犯人がマットの親友だったクレイグ・ベルデンの息子のリックだったことから、連邦裁判執行官としてマットは彼らが住むガンヒルに向かったのだが、ガンヒルはベルデン家によって成り立っているような街で誰もクレイグに逆らうことはできない中、マットは取り合えずリックを捕らえるとガンヒルから最後に発つ21時発の列車までホテルの2階に籠ることになる。
 ここまでの物語の流れは順調であろうが、最後になってゴタゴタする点を指摘しておきたい。
 クレイグの元カノであるリンダからショットガンを入手したマットは最終列車が来る時間に合わせ、リックの顎にショットガンの銃口をつきつけたままホテルから出てきて、2人とも立ったまま馬車に乗るのだが、リックの友人のリー・スミサーズが彼らの前に立ちはだかり銃を撃つのだが、何故か銃弾はリックの心臓を撃ち抜きリックが死んでしまい、マットの反撃はリーを撃ち飛ばしてしまう。
 結果的にマットは2人に制裁を加えたので、そのまま列車に乗って帰ろうとするものの、クレイグはマットが息子を殺したと勘違いして激怒しているのだが、何故かマットは言い訳せずに止まっている列車の前でクレイグと果し合いをし、クレイグも仕留めることになるのである。
 つまりネイティブアメリカンに対する彼らの偏見も手伝って、マットは本当のことを言っても無駄だと達観していたのかもしれず、この演出は深刻な問題提起なのではないだろうか。


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