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『富士に死す』『富士山頂』新田次郎

2018-08-13 22:44:44 | 読書
                 
 この秋から富士山の裾野を廻るツアーに参加したい、と以前ここに書いたような気がするのですが・・・・

その説明会の時に講師の先生から「参加する前にこの本を読んでおいていただくとより深い理解ができるのでは。」とお勧めされたのが 新田次郎さんの『富士に死す』と『富士山頂』です。

 同じ作者の作品ですが雰囲気が全然違います。

『富士山頂』は昭和30年代に初めて 気象庁のレーダーを富士山頂に造ることになった時の気象庁職員たちの苦労、努力、関係する企業などの奮闘、戦いといったもので 正直あまり好きになれない作品で時間がかかったわりに途中を飛ばしながら読んでしまいました。 でも、レーダーを作るという事業が自然相手の大変さだけでなく 企業との駆け引き、企業間の争いなど思った以上に大変だったんだろうなあ、ということは伝わりました。

『富士に死す』は江戸時代の『富士講』を題材とした小説で こちらはおもしろくて あっという間に読めてしまいました。
こちらの方が 富士山に対する人々の思い、信仰が伝わってきました。
 日本人にとって昔から富士山への思いというのは特別だったのですね。
それにしても 昔から富士山登山ってお金がかかっていたのですね~。 何かにつけてお金を払わなくてはいけない、という記述があったりふたり部屋と言われてついて行ったら大勢の人のいる部屋に詰め込まれた、と書かれてたり・・・ ちょっと厳しい見方をしつつも一年分の稼ぎを夏の間だけで稼がなくてはいけないから仕方がないのかも、と書かれていました。
 富士山で食べ物、飲み物を買うと値段が高い、というのは 荷物を上に揚げるのが大変なのだから高くても当然だ、と思います。 でも、やっぱり山小屋の番頭さんの中にはコワイ人がいたり 山小屋の詰め込みにはちょっと嫌な思いもあったりしたので ああ、昔から変わっていないんだなあ、と納得したり・・・
『富士山に登らないバカ、2度登るバカ』という言葉は 大変な山のわりに登ると たいして見るところもないし美しくもないから遠くで眺めているのが一番いい、という意味だと思っていたのですが 新田さんの本では 何度も登りその都度たくさんお金を支払うのはばかばかしい、みたいなことが書かれていて なるほどなあ、と思いました。

 それでも私は富士山が好きです・・・・
富士山は不思議な魅力とパワーがあります。 昔から人を引き付ける魅力がある山なんだと思います。
コメント
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