
バブル景気がはじけた1990年代の後半は、
一般的に氷河期と呼ばれる。
ナニをしてもゼニにならない。
そして、
会社の倒産が相次いだ。
ホモクロの初恋のオトコ白崎くんもリストラされてしまった。
それで、
実家の両親に相談したら、
観光バス経営してる叔父さんを頼れとのことやった。
白崎くんは、
東京杉並区にある叔父さんの観光バス会社に行き、
仕事をくれるようにお願いした。
叔父さんも人手は足りているし、
かと言って追い返したら親戚で村八分にあうので、
バスガイドとして採用することにした。
白崎くんはバスガイドは女性の仕事だと拒絶したい気持ちやったけど、
働かないといけない。
そしてナンで自分がバスガイドに採用されたかもわかった。
アンと😳
女性専用観光バスやったからやった。
バスガイドの勉強をして数日後、
早速、
白崎くんは、
スーツを着て、
バスに乗り込んだ。
運転手は無愛想な体の太い女やった。
白崎くんはマイクを持って、
「発車オーライ!」と大きく言った。
そしてお客様達に、
「きょうはバスガイドの白崎がみなさまを案内させていただきます」と声をかけた。
お客のひとりが、
「ベットルームまで案内してにいちゃん!」と言った。
白崎くんはこのお客をスルーした。
ここに、
乗客のひとりで、
SKEの須田亜香里似のませいの女が酒をぐびぐび飲んでいた。
そして、
「ふう~っ!よっぱらっちゃったー」と言った。
白崎くんはマイク片手に、
「右手に見えますのは------ただの景色です」と説明すると、
ませいの女は、
「バスガイドさん。ここの景色は二重に見えて素敵ね💓」とあまったらしく言うと、
白崎くんは、
「お酒の飲み過ぎじゃないんですか?」と心配した。
ませいの女は、
「オンナはね、酒を飲まないとやってらんないのよ」と言い返した。
そこに、
若き日の割にはオラウータン顔に樽腹のブルーザーが白崎くんに、
「テメーは上玉じゃねーか!」と大声出して、
ワンカップ大関ぐい飲みしてチクワをかじった。
そして千鳥足で立ち上がって白崎くんのそばに来て、
「テメーも飲め!!そして手込めカマしてやっから!!」と大声出して白崎くんに抱きついてくるので、
白崎くんは必死に、
「お客さん!お客さん!かんにんしてください!!」と哀願した。
ブルーザーはせせら笑い、
「かわい子ぶってんじゃねーよ!減るもんじゃなし!」と声を荒げ、
白崎くんを床に倒そうとした時------
後部座席から、
テンガロンハットに顔を隠した女がトランペットの音色を響かせた。
乗客達はヒソヒソと、
「あれは死神のおタルこと、ばってん札幌じゃないの?」とささやきあった。
ブルーザーは「チッ」と舌を鳴らして、
白崎くんから離れた。
目的地に到着した。
白崎くんは、
テンガロンハットで顔が見えないばってん札幌に、
「ありがとうございました」と感謝を述べた。
ばってん札幌は、
「なんでもないのさ。風が気まぐれに吹いただけなのさ」と言ってバスから降りた。
ばってん札幌の後ろ姿を見ていた白崎くんに、
女性運転手が、
「ガイドさん。あんたよく頑張ったね。生きるってことに涙は禁物だからね」と言うと、
白崎くんは、
「ぼくは泣くときは、こっそりと泣きます」と答えた。
女性運転手は、
「人生は煮しめさ。笑いと辛さで味付けされてんのさ」と言うと、
バスの外から、
「ふう~っ!よっぱらっちゃったー」という、
ませいの女の声が響いた。
強烈なお客さんばかりで大変でしたね💧
でも泣きたくなっちゃう様な時にも✨助けてくれる人や分かってくれる人がいるって✨救われます🥲🍀
テンガロンハットのバッテン札幌✨カッコ良かったですが✨
いつもトランペット持参なんですね😆💕
運転手さん素敵な方でした🥲
人は見かけで判断しちゃダメって思いました✨😌🍀
90年代後半の経済氷河期にあって、
当たり前と思ってたものが崩れていった時代だったらしく、
世の中は就職難にあふれていたと言います。
そんなトンでも時代背景にあって、
やっとでバスガイドの職を得た白崎くんに、
トドメとばかりの乗客の面々でした。
が、
ばってん札幌に救われ、
女性運転手さんに貴重な人生訓をいただき、
白崎くんは当時を思い出す度に、
辛さの砂漠の中でのオアシス体験だと、
ありがたく受け止めているそうです。
jasmine様のリアクションとコメントに感謝です。
いつも励みになっております。