フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

くいだおれ太郎

2009-07-12 18:27:04 | Weblog
紅白の服と三角帽に黒めがねといえば、くいだおれ太郎です。ちょうど一年ほど前、太郎の雇用主の飲食店が閉店するに当たって姿を消さざるを得なくなりました。閉店の日は大勢のファンが別れを惜しみました。そして全国を旅しました。そんな人気者が道頓堀に戻って来ます。元の食堂に近い飲食店ビルが改装してその入口に常駐します。
ところでこの太郎が人気者になった背景は、テレビで取り上げられたことが大きいでしょう。テレビのCMの訴求力が落ちている噂がありましたが、やはりテレビの力は凄いものがあります。映像と音声によって視聴覚を超えて味覚や嗅覚にまで訴える力があるだけに、1975年以降は広告費は新聞を上回ったのは当然でした。
それでも先程の噂が生まれるのは、視聴する側の姿勢が変化してきたのです。放送が始まったころはテレビを見る事一点で見ていましたが、最近は視聴に対する集中力が弱くなりました。それは何かをしながらテレビを見る事が多くなり、興味のあるもの以外は仕事等に集中します。興味があれば画面に目を向けるのです。
つまりテレビのラジオ化でしょうか。「ながら視聴」とでもいうのでしょうか。メディアの多極化もあるかも知れませんが、視聴率が高くても反応が弱くなっているとしたら、こうした「ながら視聴」にも一因があると思いますがどうでしょうか?