しまうまハイツの日々騒然

特別な人間でもないけれど、意外と破天荒な日々を送ることもある。そんな人間が何てことない日々を吐き出します

フィラディナストーリー第2話

2020-12-13 17:45:32 | フィラディナストーリー:物語
『試験の昼』

ここフィラディナ魔法学校はその名のとおり魔法を教える学校であり、学校の周囲には卒業した魔法使いたちが各々生活している町が広がっている。
その歴史は古く王国建立とほぼ同時に開校された。そしてこのカルディナ大陸の唯一の魔法学校である。
学校と町の周囲は常に魔法使いたちによる結界が張られており、妙な生き物もセールスとかも跳ね返して安全を保っている。
外から悪いものが入ってこないように、内から都合の悪いものが出て行かないように。
普段は魔法による破壊音等で学校内はどこもかしこも騒がしいのだが、今日はそういった音が全くしない。
今日は学生が恐れるテストの日であるから。

 「うあぁ~ほんっと憂鬱だわ~。」

フィラディナ魔法学校の一角にある食堂で、学生ならではの気持ちを吐露したのはトローチの友人であるレオナ。
眉をしかめ、口を曲げてといったテストに対するあからさまな嫌悪が表情から見て取れる。
目の前にある朝食のサンドイッチに対してもかなりの悪意をこめて咀嚼していた。

 「来ちゃうもんは仕方がないよ。」

レオナの目の前の席に座っているトローチは苦笑しながらサンドイッチに手を伸ばす。
テスト前の恒例の会話パターンである。レオナが愚痴り、トローチがなだめる。
何も生み出さない贅沢な時間の使い方。レオナの愚痴は更に続く。

 「私、絶対落ちるし。」
 「大丈夫だよ。レオナいつもよりすっごい勉強してたの私知ってる。」
 「トローチ秀才だからマジでうらやましい…。」
 「赤点を取らないことが秀才なら、私は秀才に入るだろうけど。」

そう言葉を交わしながらトローチは鼻先にずり落ちてきた眼鏡を元の位置に戻す。トローチのチャームポイントでもある眼鏡というものはいわゆる「真面目」という概念を相手に植え付けやすいが彼女は世間一般で言う「秀才」ではない。むしろ階級では下の方に入る。
魔法学校では特に年齢制限を設けてはいない為、魔法の才能がある老若男女が魔法を学びに来ている。入学したての者はまず下級科、下級術を3属性以上習得した者は中級科、中級術を2属性以上習得した者は上級科への昇級試験を受ける資格を得る。トローチは長い事下級科に在籍しており本日は下級科の定期的に実施される筆記及び実技試験、レオナはそれに併せて本日中級科への昇級試験を受ける。実力が認められたものの証だ。
トローチには何となくだがもうわかっていた。自分には魔法の才能があまりないことを。

 「レオナ、私もだめかもしれないなって不安だよ。」
 「とか言いつついつも赤点回避しているのを私は知っているぞ。」

間髪いれずに言い返されたトローチは思わず目を逸らした。
レオナが羨ましい、昇級試験落ちてしまえばいいのに。ざわり、と胸の内に羨む黒い感情が広がる。
自分はたとえ赤点を回避したとしても、このままでは留年か下級科のまま卒業だ。
勉強は好きだ、魔法を使うことも好きだ。好きなだけではダメなのだ。
考えれば考えるほど暗い気持ちになっていく。下級科卒業では魔法に溢れる町でどのような仕事があるのだろう。それとも魔法学科に転籍して魔法の知識を深めて学者になるしか道はないのだろうか。
それともここで学んだことは忘れて新たに道を探さなければならないのだろうか。
今まで自分にかかったお金の恩だって幼い頃からお世話になっている魔法学校に返していかなければならない。
トローチはほの暗くなってくる気持ちから意識を逸らし、周囲を見回した。そういえば今日は食堂にあまり学生がいない。多分テストの為に朝食を抜いている学生が多いんだろうなと思った。
すると食堂の端で見知った顔を見つけた。そして見知らぬ顔も見つけた。

 「ねぇレオナ。あれってソルダム先生だよね。」
 「でしょうね。ってなんで兵士と一緒にいるんだ!?」

トローチの問いかけにレオナは直ぐに反応した。視線を左にずらす。
そこにいたのは見知った二人の担任の先生と見知らぬ男性。男性は武骨な鎧を着ている。恐らく兵士だ。そして兵士で思い浮かぶのはカルディナ王国。
兵士という職業が存在しているのもカルディナ王国のみである。そもそも人が住んでいるのはカルディナ城とフィラディナ魔法学校のみと習った事から、二人はあの兵士はカルディナ城から来たであろう事を推測した。
思わず二人は朝食をとる手を止めて身構えた。授業で何度も何度も王国と魔法学校は仲が悪いと言い聞かされてきたからだ。
理由はまだ習っていない。当たり前の知識として学び、考え方としてここの学生たちにはすでに浸透している。

 「ここにあのカルディナの兵士が来るなんて何かあったのかね。」

レオナはそう言いながら時計を見てため息をひとつ吐いた。
先生と王国の兵士の事も気になるが、そろそろテストの時間である。


 「んー、ソルダム先生に用事でもあるのかな。」
 「あ~やだやだ朝から嫌なもん見た。早く行こうトローチ。あっちも気になるけどテストに遅刻とか笑えないから。」

トローチも急いで氷が溶けかけた水を飲み干し席を立ち上がった。それは確かに笑えない。そしてもう一度先生と兵士のほうを見た。
兵士はこちらに背を向けていてどのような表情をしているのかはわからない。
しかし、先生は兵士に対して困惑しているような悲しんでいるような、何とも捕らえがたい表情をしていた。
とてもじゃないが愉快な話題とは考えられない。そもそもここに兵士がいること自体がこの学校にとって非日常的な事なのである。

 『いつだって王国が持ち込むものは愉快とは言えない代物だ』

そうソルダム先生が言っていたことをトローチは思い出した。
その時の先生はどこか遠くを見ているようであったことを覚えている。
昔王国に何かしたのかそれとも何かされたのか、どちらにしても良い感情を持っているようには思えなかった。
魔法学校の生徒は少なからず王国に対して恐怖とか、嫌悪等の感情を抱いている。でもそれは授業で刷り込まれたからであって、真実はよくわからないというのが実情である。

 「今日は、いつも通りじゃない。」

誰に伝えるわけでもなくトローチは困惑気味に呟いた。
トローチは平和が好きだった。流れに逆らわない行動をとる事に病的な義務感があった。
トローチは変わらない毎日が好きだった。そしてその逆を何よりも恐れていた。
今考えてみれば朝から何かおかしかったような気がする。でもその考えをしてしまう事がすでに何かおかしいような気がする。

 「トローチ大丈夫?」

レオナは心配そうにトローチの顔を覗き込んだ。大丈夫、とトローチは返した。それ以外の返し方が思いつかなかった。もう一度先生と兵士がいた方を振り向いてみたが、もうそこには誰もいなかった。
行こっか、とレオナは移動を促した。


気がついたらトローチはいつもの自分の席に座っていた。どうやらぼーっとしている間に教室について席に座っていたようだ。レオナもすでに着席している。特に変な様子はない。こちらに気づいて手を振ってきた。振り返した。
トローチはぼーっとしている間にレオナに変なこと言ってたらどうしようかとも考えたが、彼女の普段と変わらない様子を見て安心した。
前を見るとソルダム先生が緊張した面持ちで生徒達を見据えていた。テスト前の緊張とも違う、でもどこかで感じたような緊張の表情。王国の話をしていたときと同じ顔してる、とトローチは思う。
先生と目が合いそうになり慌てて目を下にそらした。その視界に白い紙が入る。前から配られてきた問題用紙を取り、後ろに回した。
そして紙の音がしなくなった頃。

 「それでは筆記試験を開始します。」

いつもの先生とは少し違う声質で、いつものテストは始まった。

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第2話更新です。
伝わる文章を書きたい…。わかりにくいところばかりで本当にすみません。
今後精進したらこっそり直しに来ます。
主人公はこのとおり、ちょっと面倒くさい子ではありますが成長してくれたらいいなと思います。
私の文才も負けずに向上してほしいものです。こちらの方が重要な問題です。

我が家のシチュー

2020-12-10 22:51:57 | 何でもない日々


じゃがいも大きくないか…?
皮剥いて半分に切った男爵が入ってます

料理って全部じゃないかもしれないけどその家の個性というか、なんか…料理人の主張みたいなのが出るじゃないですか

うちはどうやら具材が大きめのようです、多分

あれ、これ大きめですよね
見すぎてよくわからなくなってきた
じゃがいもの大きさがゲシュタルト崩壊

温かくて美味しいからいいや
残業した体にしみます


何かはあった

2020-12-05 17:39:02 | 何でもない日々
昨日の続きになってしまいますが

左脇腹の膨らみが気になり…

外科に行ってきました
何か皮膚のしたにあるのは間違いないそうです…が、今のところ悪いものではないとの事
痛い思いをして切る処置をするより
しばらく様子を見て
膨らみが大きくなったり、現状からの変化があったらまた来てねって感じでした

よ、よかったー!
ひとまずよかったー!
安心したらお腹空いてきたー!

大慌てした一昨日と昨日がちょこっと恥ずかしいけど
何もないのが一番だ!

いや、まぁ正確に言うと何かはあるのですが

これで心置きなく
お話考えられるぞー
やふー

ちなみに外科の前に婦人科行ったらうちの専門じゃないと言われました
それが今日一番恥ずかしかったっす…自分の症状が何科に該当するのかってどうやったらわかるのでしょうね、たはは

嫌なことばかり

2020-12-04 22:46:20 | 何でもない日々
考えてしまう…!

実は昨日体洗っている時に

左脇腹に違和感を感じて

触ってみたら

…膨らみがあったんですよ

最初は脂肪の塊かな、とも思ったのですが
嫌なイメージしかないじゃないですか、上半身の膨れって
しこりって訳じゃないけど
やわらかくて、痛みも特になくて

親には笑って話したけど
不安で不安で仕方ないです
とりあえずここで不安を吐き出します
大丈夫かなぁ、考えすぎかなぁ
まだ健康でいたいなぁ
頼むから大した事ないやつであってほしい

明日一応婦人科の病院に行ってこようと思います
脂肪の塊だったら笑い話に出来るんだけど…