かつて⚪️⚪️店の外商部に勤めていた頃の話です。
お客様は審査の通ったセレブ様。
「お洋服がほしいんだけど」と電話が入れば、
担当の外商部員がお似合いになりそうな物を何点かみつくろって、ご自宅までお届けします。
ご来店とあらば、正面玄関までお迎えにあがります。
内覧会などあれば、当然の事ながら真っ先に連絡をいたします。
私とは天と地ほど違う方々ばかりですが、
それでも失礼ながらABCのランク分けはありました。
そんなある日、
配達のお供をした事があります。
配達先はAランクの特上!(なんだかお寿司か鰻みたいですね)
聞きしに勝る豪邸でした。どのくらい豪邸かと言うと裏門を正面玄関と勘違いしたほどです。
お宅を一周するのに自転車ほしかったくらい。
無知な私は、一緒に行った外商部員に、
「こちらはトヨタ自動車の重役とか?」なんて聞いてしまいました。
あっさり言われました。
「外車が車庫に並んでるでしょ。トヨタ車1台も無いでしょ?」
なあるほど!と頷きました。
それにしてもご注文頂いた商品を降ろすさい、ちらっと見えた横のお部屋にびっくりしました。
贈り物を一旦収める専用部屋だというのです。
中はギフト品の山。
入り口付近に高級ワインが2列天井まで積み上がっているではありませんか。
当然なまものは別室のはず。
プロの野球選手の方もみえました。
入団した年にお仕立券付きのスーツを20数着注文されました。
同じチームの他のメンバーにご挨拶代わりにプレゼントされたようです。
高価なブランドバックや時計や宝飾を、まるで私が大根やTシャツを買うように買われる方もみえました。
それでも不思議と羨ましいとは思いませんでした。
以前、銀行員の方に、
「山のような札束を見てもなんとも思わない?」
などとバカな質問をした事があります。
「いやあ、職場ではお金と言うより商品って感覚に近いですからねえ」
と答えられていました。
その感覚と近いのかも知れません。
とにかく今となっては良い経験をさせていただいたと思っています。
おまけの話。
先に出したブランドバックや宝飾をバンバン買われたあの方、
ご主人様が亡くなられ1ヶ月も経たない内に、すべて売り払われました。
目に涙をいっぱいためて、
「もう、いらないの」と力無くおっしゃいました。
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