Solaris/ZONEに古いSolarisを接ぎ木する
こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。
オープンソースカンファレンス2010 Tokyo/Springで日本SUNの方にZONEの話を聞く機会がありました。
古いSPARC版Solarisをお使いの方は、新しいハードウエアと新しいSolarisに移行することが難しいと思います。そこで、古いSPARC版Solarisを新しいSolaris上で稼働できるようにし、新しいプラットフォームに移行できるようにするそうです。この場合、SPARC版をIntel版に移行することはできません。同じCPUアーキテクチャ上での移行です。
これはSolarisの仮想サーバ技術である、Solaris/ZONEを使って実現するそうです。OpenSolaris/ZONEを試しているので、思わず「SPARC SolarisをIntel Solarisに移行できますか?」と尋ねてしまいました。それは駄目だそうです。
OpenSolaris/ZONEを使って感じることはZONEは接ぎ木です。ZONE上のプログラムはZONE上の基本ソフトで起動し実行されます。ZONE層は親のOpenSolarisが判るようにZONEの中の実行命令を変換して渡しているだけです。すなわちZONEで異なる基本ソフトを実行することは、接ぎ木をしているようなものです。ZONEの中の基本ソフトは新しいハードウエアドライバを必要とせず、親のOpenSolarisを通じてハードウエアを使います。その為古いSolarisをZONE上に移行することで、新しいSolarisの基盤に移行できるのです。
これは、素晴らしいことです。そのうちSPARC版SolarisとIntel版OpenSolaris上のZONEを相互に引っ越しできるようになれば、ずっとハードウエアを心配することなく、既存の実行環境を使い続けることができるのです。これは理想型です。
私も事務所内のサーバーをOpenSolarisのZONE上に移行できないか検討を始めています。実現したいことは、小規模企業でも、一度作ったソフトウエアはずっと使いたいですからね。
OpenSolaris/ZONE上のCentOS 3.9では、Linuxの一部のコマンドを使うことができません。ZONEのマニュアルにもその旨記述があり、例えばdmesg等ハードウエアに強く依存するコマンドは使うことができません。アプリケーションがハードウエアデバイスを直接操作するプログラムはZONEの上では動作しないと思った方が良さそうです。
■触って覚える谷山ゼミ
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