
deep learning AIの進化に思う(1)
いつもアクセスありがとうございます。匠技術研究所の谷山 亮治です。
最近、AI(人工知能)の話題が賑やかです。なぜ、今AIが脚光を浴びているのでしょうか。
コンピューティング技術の進化により、AIの要であるニューラル・ネットワークの応用に要する費用が下がったことが、背景にあると思います。私も1990年頃にニューラルネットワークの応用に取り組みましたが、当時使っていたコンピューターの処理能力では、情報の範囲を狭めた「判断回路」を作るだけでも、莫大な時間を必要としました。ただ、結果は非常に面白く、将来性を強く感じるものでした。
今は、莫大なコンピューター資源を時間単位で借りることができます。先般Microsoft Azure Machine Learning の入門セミナーを受講しましたが、GUI上で、予め体系化された機能ユニットを組み合わせるだけで、機械学習環境を含むdeep learningの仕組みを作ることができました。昔取り組んだこととは、全くもって隔世の感です。利用するコンピューターはMicrosoftのクラウドコンピューターで、時間貸しをしてくれます。その費用は、個人でも払える程度です。
Microsoft Azure Machine Learning で育てた判断回路はAPIを通して外部アプリから使うことができます。もちろんAPIが呼ばれ、判断に必要としたコンピューター使用料は支払います。ただ、もう、このような形でAI用のコンピューターを「所有せずして使う」時代になっているのです。Microsoftのバックエンドはクラウドサービス基盤ですから、サービス形態を変えてコンピュータを使ってもらうようにしたけです。そのため、利用料も安価に抑えることができます。
個人がハイエンドなコンピューター資源を使うことができる時代の到来ですから、様々な企業がAIを応用し始めていることは容易に察することができます。特に大事なことは、関連性を記述しにくい分野こそdeep leaningに適していることです。すなわち、これまでコンピューター化しにくかった分野をAIが埋めようとしています。だからこそ、面白さもあり、怖さもあります。
(つづく)