えつこのマンマダイアリー

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最近の新聞記事より ~普通の人々が主人公の社会~

2018年12月31日 | 雑記

 クリスマス以降、昼間は大掃除や雑用に追われ、夜は孫とスカイプしたり、久々に冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症(安静時狭心症)の発作を起こしたりと、ブログから遠ざかっておりましたm(__)m そうこうするうちに、本年最後の記事となってしまいました。
 最近の東京新聞の記事より、哲学者の内山 節(たかし)氏のコラムを引用します。 

  2018年12月23日付朝刊 「時代を読む」より

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「普通の人々が主人公の社会とは」  内山 節(哲学者)

 インターネットが普及しはじめたとき、それは世界を変える夢の道具のように言われたものだった。世界中のどこからでも、誰もが発信できる。情報発信では大都市と田舎の格差はなくなり、国境を超えた世界市民の時空が広がっていく。こんな解説をしばしば耳にしたものだった。人々の間を正しい情報が行き交い、理性的な議論の場がつくられていくことが、インターネットに期待されていた。
 だが、期待通りにはいかなかった。むしろ、自分の感情にもとづいて発信し、自分の感情に合うものを検索する、感情のための手段としての利用が広がっていった
 それは世界に、無視できない変化を与えたのかもしれない。なぜなら、自分の感情だけを判断基準にして行動する人々を、大量に生みだすことになったからである。

 少し前までは、感情よりも理性が重視される時代だった。感情だけでものを言うのは、恥ずかしいことだとされていた。ところが感情よりも理性が上に立つと、理性的な意見を述べるための作法に習熟していない人たちは、社会から疎外されていく。「知的」な議論をするための素養が必要になり、それが「エリート」の支配を生みだしてしまうのである。理性重視の時代は、自分は社会の主人公にはなれないと感じる、大量の人々を生みだしてしまっていた。
 近代的な世界では、たえずこのことへの不満をもつ人々がいた。政治も思想、理念、メディアを動かしているのも「知的エリート」たち。そういう構造への不満が、社会には鬱積(うっせき)していたのである。

 インターネットは、このような構造からの「解放」をもたらした。「知的エリート」に支配されることなく、自分の感情をそのまま発信できるようになったのである。感情を判断基準にして行動する人々がふえ、それが深刻な感情の対立を広げていく、そんな世界がここから生まれた

 アメリカのトランプ大統領を支えているのも、けっして少数派とは言えないアメリカの人たちの感情だ。日本でも中国になめられるなという感情、北朝鮮や韓国に対する感情などが安倍政権を支えている。その中国や韓国もまた、「国民感情」が大きな力をもっている。ヨーロッパで台頭する国家主義勢力の基盤も、いまの状況に不満をもつ人々の感情だ。
 社会への不満やいらだちがそのまま発信され、それが大きな渦となって社会を動かす政治は、それを助長する扇動政治の性格を強めていく
 今年は、世界はいまこのような方向に向かっているのだということを、より明確にした年だったのかもしれない。感情の対立がそのまま容認される時代が、私たちを包んでいる。

 とすると現在私たちは深刻な課題を背負わされていることになる。むき出しの感情対立が世界を動かすのが、よいはずはない。だが、理性が支配することがよかったのか。近代社会は、理性による秩序づくりをめざした。それが近代の理念だった。だがそれは理性的であるという規範を牛耳る人たちの支配を生み、「エリート」と主人公にはなれない人々の分断をつくりだした
 おそらくこの対立は、普通の人々が社会の主人公になる仕組みが生まれないかぎり、解決されないだろう。理性による支配ではない協同の仕組みを、私たちは見つけ出さなければならなくなった

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  (※本文中のブロック分けと太字化は、ブログ管理人によります。)

  高度成長期に耳にするようになった「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」という言葉…まさにこの、「エリート」と「主人公になれない人々」の象徴のような言葉でしたね。「普通の人々が社会の主人公になる仕組み」…「理性による支配ではない協同の仕組み」…具体的にどのような社会でしょうか…。
 多くのことを書き残したまま、新年を迎えますが、戌年最後の今日は、そんなことを考えながら締めたいと思います。

 

 1年間、ご高覧くださり、誠にありがとうございましたm(__)m 来年も引き続きどうぞよろしくお願いいたしますm(_o_)m みなさま、よいお年をお迎えください!

 

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