森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

森の紫陽花

2019-08-05 | 日記


 関東が梅雨明けしたとたん、連動しているかのように森もお天気が回復しました。
 懐かしい太陽が現れ気温もぐんと上昇しています。
 
 これを「待ってました」とばかりに、白い小さな玉だった紫陽花が涼しげなブルー
 に変身して鞠のようにパンと張ってきました。



 この紫陽花はもともと十数年前に下町の植木市で買ったものです。大自然の雑木林
 に上手くついてくれるかと心配でしたが、力強く根づきました。

 そうそう、下町の人々といえば紫陽花の色自慢、メジロの鳴き声自慢など素朴な自
 慢がステータスです。
 イベントはないけれど、しょっちゅうさまざまな市が立ちます。朝顔市、ほおずき
 市、菊の発表会など、これらが生活のリズムになっています。

    あじさゐの 藍のようやく 濃かりけり    

    あじさゐの いろ濃きうすき 宿世かな    久保田万太郎

 下町も浅草生まれの久保田さん、やはり紫陽花の色が気になっていました。
 紫陽花の色を宿世とまで言い切っています。

    紫陽花や 昨日の誠 けうの嘘        正岡子規

 急に変わる花色をどんな人間に重ねたのでしょう。笑えますね。


 短い北国の夏ですが、楽しみはまだまだあります。
 そう、キイチゴはどうなっているのか心配です。
 早くいかなくちゃ、生きものたちにとられる前に。


                         動(yurugi)