バイクライフ・バイクツーリングの魅力を北海道から。
聖地巡礼-バイクライディングin北海道-
走るだけの一日(3)
(7:44AM 富良野市 道道250号線沿い 八幡丘)
道道253号線を行く。
昔、僕がまだ若くて自分を走り屋だと思っていた頃、この道はダートだった。
そして鳥沼公園には、本州から北海道ツーリングに来たライダーたちが、長期キャンプを張っていた。
今、鳥沼キャンプ場はたたまれたと聞く。
道道253は快適な2車線の道になり、さんにーさんと僕を、快適なクルージングへといざなう。
途中、心惹かれる景色に会い、予定にはなかったのだが、いきなり停まって景色を眺めた。
急に停まって、
「ごめん、景色がきれいだったから」
というと、
さんにーさんも笑っていた。
(同刻 同所)
気持ちのいい道が、ずっと続いている。
交通量も少なく、走ると本当に気持ちいい。
ドライブコースとしてもいいだろうが、こういう風景の中を、バイクに跨り、剝き身で走って行く爽快感は、やはりバイク独自のもので、何物にも代えられない。
ああ、バイクで来てよかった…。
そう思う瞬間だ。
「さっきの丘の頂上で止まった方がいい写真になったんだろうけれど…」
と、僕がいうと、
「でも、走りながら感じる風景も格別ですから」
と、さんにーさん。
そうなんだ。そうなんだよ。
どんな写真でもとらえることのできない、幸福な時間を、僕らは走っているんだね。
(同刻 同所)
道の左側には麦の畑と、その向こうに丘が続いている。
気温も高すぎず、朝の空気感が残っていて、とても気持ちのいい場所だ。
しばらく味わってから出発する。
町内会時よりは速いけれど、決して速すぎない速度で。
町や民家の前では必ず速度を落として、うるさくないように…。
麓郷の市街地を通り抜け、253をそのまま進んで、国道38号線方向へ抜けていく。
景色のよい、ツーリングルートだ。
気持ちいい。
このままいつまでも走っていたい気分だ。
(8:39AM 南富良野町 金山湖畔)
国道38号から少し戻って国道237号へチェンジ。
金山へ向かう。
金山からは金山湖沿いのワインディングを。
これが第2ステージ。
先よりも中速、低速のコーナーが続き、回り込んだコーナーも多い。
低速域の旋回状態の確認、力を抜いてGPZにゆだねて気落ちよく旋回していくことができるか、
リハビリの第2段階だ。
ところが、この狭い2車線路で、車列につかまった。
と、言っても3~4台なのだが、悪いことに先頭がトレーラータイプのトラックだ。
安全のために飛ばすつもりはないが、それにしても時速30キロ以下で排気ガスを吹き付けられながら延々走らされては、さすがに面白くない。
この道は見通しのよい直線がほとんどない。
しかもダム湖畔の道なので、標高差があまりない。
走りにはいい条件のそろった道なのだ。
それなのに…。ああ、それなのに。
そこで、必殺技を繰り出すことにした。
「停止」だ。駐車帯になっているところにバイクを停め、ヘルメットをかぶったまま、車列が遠ざかるのを待つことにした。
そんなに交通量も多くないのだから、待っていれば間隔はあくものだ。
待ちすぎて、もうひと車列待つことになってしまったが(^^;)、まあ、それもご愛嬌。
再び走り出す。
(同刻 同所)
低速ワインディングのいいところは、ある程度「走って」も、速度が上がり過ぎないところだ。
その中できちんと立ち上がりでトラクションを掛け、カーブ手前で安全速度まで減速すれば、シフト回数も増えて、自分でリズムをとる感覚をとらえやすい。
減速Gを腕に伝えず、下半身で受け止める。ステップ、タンクに沿わせた膝、シートなどで、Gを受けとめつつ、適切なタイミングでシフトするように、その正確なタイミングを図る。
へっへっへっ。
楽しいねえ。
腕が突っ張らず、少し低く構えた上体からクラッチ、ブレーキ操作がしやすいように、左右レバー角度をさっき変えておいた。
それがドンピシャではまったようだ。
腕をフリーにしながら、レバー操作は力まずにできる。
しかし、旋回状態で無駄な力を抜いてきれいにGPZに体を預けることがうまくいかない。
どこかに凝りのように無駄な力が入っているのだ。
すると、GPZは正直に、グリップ感を低下させ、ラインの自由度が下がるのだ。
へへへえ。
うまくいかないなあ。
今度は重心の置き方をもう少しだけイン側に寄せてみようか…。
ああ、楽しいなあ…。
なんてやっているうちにワインディングは終わり、湖畔の開けた公園地についた。
(8:49AM 同所)
もう、かなり暑い。
朝の空気は消え、日中のそれになっている。
停まってみると、左足の脛の前側の筋肉が張って、攣る寸前になっている。
久々に減速Gに抗してステップを前に蹴りながらのシフトダウンを繰り返して、しかも、意識せずに乱暴な足首の使い方をしてしまったためらしい。
あ~あ、恥ずかしいことだ。
はずかしながらさんにーさんに告白して、ブーツも一時脱いで筋肉を緊張から解放、ほぐしてやる。
ここも湖畔のいい景色のところだ。
さんにーさんと、いろいろ話しながら景色を眺め、写真を撮った。
このパートの走りでは、僕は自分のライディングのチェックに夢中で、さんにーさんのことはほとんど見ていない。
もちろん、3秒に1回くらいはミラーをちらっと覗いてはいる。
でも、さんにーさんの走りまでは、まったく気が回っていない。
ああ、なんてわがままなんだ。
ああ、なんてぜいたくなんだ。
さんにーさんも楽しそうだ。
よかったよかった。
さんにーさんは足元の小さな花や、もしかしたら虫も?写真に収めている。
GPZと、GSX‐Rは澄まし顔だ。
まだまだ準備体操のジョギングでしょう?って言っているみたいだ。(つづく)
道道253号線を行く。
昔、僕がまだ若くて自分を走り屋だと思っていた頃、この道はダートだった。
そして鳥沼公園には、本州から北海道ツーリングに来たライダーたちが、長期キャンプを張っていた。
今、鳥沼キャンプ場はたたまれたと聞く。
道道253は快適な2車線の道になり、さんにーさんと僕を、快適なクルージングへといざなう。
途中、心惹かれる景色に会い、予定にはなかったのだが、いきなり停まって景色を眺めた。
急に停まって、
「ごめん、景色がきれいだったから」
というと、
さんにーさんも笑っていた。
(同刻 同所)
気持ちのいい道が、ずっと続いている。
交通量も少なく、走ると本当に気持ちいい。
ドライブコースとしてもいいだろうが、こういう風景の中を、バイクに跨り、剝き身で走って行く爽快感は、やはりバイク独自のもので、何物にも代えられない。
ああ、バイクで来てよかった…。
そう思う瞬間だ。
「さっきの丘の頂上で止まった方がいい写真になったんだろうけれど…」
と、僕がいうと、
「でも、走りながら感じる風景も格別ですから」
と、さんにーさん。
そうなんだ。そうなんだよ。
どんな写真でもとらえることのできない、幸福な時間を、僕らは走っているんだね。
(同刻 同所)
道の左側には麦の畑と、その向こうに丘が続いている。
気温も高すぎず、朝の空気感が残っていて、とても気持ちのいい場所だ。
しばらく味わってから出発する。
町内会時よりは速いけれど、決して速すぎない速度で。
町や民家の前では必ず速度を落として、うるさくないように…。
麓郷の市街地を通り抜け、253をそのまま進んで、国道38号線方向へ抜けていく。
景色のよい、ツーリングルートだ。
気持ちいい。
このままいつまでも走っていたい気分だ。
(8:39AM 南富良野町 金山湖畔)
国道38号から少し戻って国道237号へチェンジ。
金山へ向かう。
金山からは金山湖沿いのワインディングを。
これが第2ステージ。
先よりも中速、低速のコーナーが続き、回り込んだコーナーも多い。
低速域の旋回状態の確認、力を抜いてGPZにゆだねて気落ちよく旋回していくことができるか、
リハビリの第2段階だ。
ところが、この狭い2車線路で、車列につかまった。
と、言っても3~4台なのだが、悪いことに先頭がトレーラータイプのトラックだ。
安全のために飛ばすつもりはないが、それにしても時速30キロ以下で排気ガスを吹き付けられながら延々走らされては、さすがに面白くない。
この道は見通しのよい直線がほとんどない。
しかもダム湖畔の道なので、標高差があまりない。
走りにはいい条件のそろった道なのだ。
それなのに…。ああ、それなのに。
そこで、必殺技を繰り出すことにした。
「停止」だ。駐車帯になっているところにバイクを停め、ヘルメットをかぶったまま、車列が遠ざかるのを待つことにした。
そんなに交通量も多くないのだから、待っていれば間隔はあくものだ。
待ちすぎて、もうひと車列待つことになってしまったが(^^;)、まあ、それもご愛嬌。
再び走り出す。
(同刻 同所)
低速ワインディングのいいところは、ある程度「走って」も、速度が上がり過ぎないところだ。
その中できちんと立ち上がりでトラクションを掛け、カーブ手前で安全速度まで減速すれば、シフト回数も増えて、自分でリズムをとる感覚をとらえやすい。
減速Gを腕に伝えず、下半身で受け止める。ステップ、タンクに沿わせた膝、シートなどで、Gを受けとめつつ、適切なタイミングでシフトするように、その正確なタイミングを図る。
へっへっへっ。
楽しいねえ。
腕が突っ張らず、少し低く構えた上体からクラッチ、ブレーキ操作がしやすいように、左右レバー角度をさっき変えておいた。
それがドンピシャではまったようだ。
腕をフリーにしながら、レバー操作は力まずにできる。
しかし、旋回状態で無駄な力を抜いてきれいにGPZに体を預けることがうまくいかない。
どこかに凝りのように無駄な力が入っているのだ。
すると、GPZは正直に、グリップ感を低下させ、ラインの自由度が下がるのだ。
へへへえ。
うまくいかないなあ。
今度は重心の置き方をもう少しだけイン側に寄せてみようか…。
ああ、楽しいなあ…。
なんてやっているうちにワインディングは終わり、湖畔の開けた公園地についた。
(8:49AM 同所)
もう、かなり暑い。
朝の空気は消え、日中のそれになっている。
停まってみると、左足の脛の前側の筋肉が張って、攣る寸前になっている。
久々に減速Gに抗してステップを前に蹴りながらのシフトダウンを繰り返して、しかも、意識せずに乱暴な足首の使い方をしてしまったためらしい。
あ~あ、恥ずかしいことだ。
はずかしながらさんにーさんに告白して、ブーツも一時脱いで筋肉を緊張から解放、ほぐしてやる。
ここも湖畔のいい景色のところだ。
さんにーさんと、いろいろ話しながら景色を眺め、写真を撮った。
このパートの走りでは、僕は自分のライディングのチェックに夢中で、さんにーさんのことはほとんど見ていない。
もちろん、3秒に1回くらいはミラーをちらっと覗いてはいる。
でも、さんにーさんの走りまでは、まったく気が回っていない。
ああ、なんてわがままなんだ。
ああ、なんてぜいたくなんだ。
さんにーさんも楽しそうだ。
よかったよかった。
さんにーさんは足元の小さな花や、もしかしたら虫も?写真に収めている。
GPZと、GSX‐Rは澄まし顔だ。
まだまだ準備体操のジョギングでしょう?って言っているみたいだ。(つづく)
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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続きを楽しみにしてますよ~
(走るだけ? 美味しいものは食べたのかな?w)
さんにーさんの走りって気持ちが出てて、すごく好きです。
ぼくの場合、自分が前だとそういうのがわかりません(汗
さんにーさんの記事と樹生さんの記事、いつもたのしみです。終わって欲しくないくらいに…(笑
久しぶりによく走った…と言う感じの一日でした。
クライマックスは、十勝のワインディングでした。
とっても楽しくて、気持ちよくて、本当によかったです。
食事はあんまりとらなかったんですよ。
本当に走るだけのツーリングになってしまいました。
ま、それもいいかな。
この日はわがままさせてもらいました。
さんにーさんには、感謝しています。
ライディングのリズムも、体に刻み直すことができましたし、有意義な、何よりとても楽しい一日でした。
ああ、バイクっていいなあ…!と、思いました。