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レインラン2 雨の装備

      (しっかり雨の装備をし、雨の走り方を守れば、雨もまた、楽しい。)

危険があぶない雨の日のバイク走行。
それを安全に、できれば楽しく快適なものにするために、まず絶対に守らねばならないことがあります。
それは、ライダーの服を濡らさないことです。

前回の記事で書いたとおり、バイクに乗っていて体が濡れると、どんどん体温を奪われ、体が冷えて危険です。
また、濡れた服は重くなり、ゴワついて動きが悪くなります。
ウエアが水を吸って重くなるまで濡らしてはいけません。もしそうなってしまったら、できるだけ早く停止して休めるところを探すことです。そして出来うるなら今日の走行はそこで打ち切り、乾いた服に着替え、服を乾かしたいところです。
それが無理なら、出来るだけ気をつけながら、予定を全て切り捨てて帰宅しましょう。
現金があるなら、途中で着替えを買って着替えたいところです。
そのくらい、雨のとき、全身が濡れるのはいけないのです。濡れた服での走行は雨の危険を何倍にも増すと考えるべきです。

いろんなバイク雑誌を読んでも、豪雨の中を長時間走れば、最後は必ず濡れる、と書いてあります。
完璧な防水はできないと。
しかし、私の経験では、例えば雨の中熊本から広島まで高速をノンカウルのSRV250で走り通したときも、昨年の夏、聖地巡礼ツーリングで、大雨に打たれたときも、先週の雨のツーリングの時も、数多くの雨天走行を経験してきましたが、全身がびっしょり濡れたことは殆どありません。またこの10年来、中の服が濡れてしまったことは殆どありません。


(雨の日ならではのソロツーリングの情緒も、また旅の醍醐味の一つ。)

濡れないための大切な方法論、それは雨具を正しく着ることです。
どんなに高価で性能のいいウエアを着ていても、正しく着てないと濡れてしまいます。
ウエア自体に問題がない場合、浸水経路は
 1首周り
 2袖口
 3裾周り
 4前の合わせ
の4通りが考えられます。

意外と多いのが首周りからの浸水。
襟を一番上まできっちり止めていないと、雨水は首周りからウエアの中に入ってきます。
ヘルメットの水が首筋を伝って中に入ることもあります。
襟をしっかり締め、ヘルメットの縁ゴムより外側に来ないようにすれば、水滴は中に伝わらずにウエアの外側を流れていきます。
それでも少量の水が入るときは、バンダナを何枚も用意して一枚ずつ休憩ごとに換えながら首に巻くようにします。バンダナに吸水させて中に伝わないようにするのです。しかし、このバンダナも結び目の先が外に出ていたりするとここから際限なく水を中に運んでくるので、巻き方に注意してください。タイトに巻いて、結び目の先も襟の中にしまっておきます。

袖口。袖口をしっかり締めないと、雨はそこからどんどん入ってきます。
バイクの種類にもよりますが、基本はレインウエアを最後に外側からしっかり絞る。
グローブを外側に出したほうが走行風で襟から入る水を遮断できそうですが、意外とレインウエアの袖を伝って水は流れ落ちているもの。袖の下側、手首側から、グローブの中に浸水してきます。
袖の絞りをしっかりしていれば、中は無風なので、グローブから袖の中には殆ど水は入ってきません。

裾周り。
裾周りがばたつくと雨は裾からお腹や背中の方へと入ってきます。
特に高速で走行することが多い場合や前傾姿勢のバイクの場合はこの傾向があります。
レインウエアによっては、「ストームガード」と称して、腰あたりの内側にホック止めのスカート状のものを付け、それを防いでいるものもあります。
これは基本は裾をばたつかせないことです。
雨具の上着の一番下のボタンを必ずきちんと留め、ドローコードがあれば絞ってばたつきを予防しておきます。

前の合わせ。
バイク用のカッパであれば前の合わせは必ず2重になっているはずです。
バイクでの雨は上から降る雨ではなく、走行風によって前面からシャワーで吹き付けるようなものになるからです。
これを確実に二重止めする。当たり前のようですが、これを確実にすることをめんどくさがらないことです。
内側と外側の2重のファスナーにさらに外側にドット式ボタンの付いたものが多いと思いますが、内側だけファスナーで外側ドットボタンでも、防水性はそう劣りません。
一番下から、一番上、襟の一番上まで確実に全て閉める。
これを怠って胸や腹を濡らすライダーがとても多いのです。


さて、私のヘビーレイン時の装備をご紹介します。

 

まずはカッパの上下。どこかで安く買った蛍光イエローのカッパで、裏地はメッシュが入っていますが、ベンチレーションもなく、当然透湿機能もない、安物のカッパです。もう5年使っています。値段は5千円くらいだったと思います。バイク専用ですらなくて、ホームセンターで買ったような気がします。
しかし、この上下で、中のシャツやズボンが濡れていたことは一度もありません。
そのポイントをお話しますと、

1 前身ごろが二重になっていて、奥のファスナーの外側にホック止めのフラップが掛かる。
バイクは走行風があたるので、前が二重になっていないと、風圧で合わせから雨水が浸入してきます。二重になっていることと、内側にファスナーがあることが重要。
晴れていてちょっと防寒に羽織ったが、少しだけ風は通したい…。そんなときにはファスナーをせずにホックだけ留めて走れば、少しですが通気が出来ます。それでも暑いくらいなら脱げばいいのだからこれくらいでOK。

2縫い目のシールがしっかりしている。
バイク用カッパで浸水するのは、お尻の縫い目のところからというのが一番多いように思います。
このカッパ、安物の割にはシールがとてもしっかりしています。縫い目が二重になっている上に、防水のシールは上にただテープを貼り付けたのではなく、どうやら蒸着させているようです。
バイクのズボンのお尻部分は、ライダーの動きに伴って大きな力がかかりやすいところで、それはただ歩くのとは大きく違い、またシートと常に擦れているのですからスキー以上に過酷な条件下にあります。
それでシールがだめにならず、5年以上にわたって全く水が漏らないのですからとても優秀です。

3裾、袖口、襟がしっかり絞れる。
ズボンの裾はボタンで一段階絞れます。
袖口はベルクロで絞れるので、袖口からの雨の浸入をかなり防げます。
襟もフードが内蔵されていますが、襟の先まで前身ごろは二重になっています。上までしっかりファスナーとホックで留まり、その高さも結構あって、ハイネックになっています。
これがとてもいいのです。このタイトで十分なハイネックにより、ヘルメットから落ちる水滴が首筋に落ちることなく、カッパの外側に流れていくのです。
首筋から水が浸入すると、せっかく回りが完全防水でも水の泡。どんどん服は水を吸い、濡れて体温を奪っていきます。

 

そしてヘビーレイン限定のグッズがこのゴム長靴と、ゴム手袋。
ゴム長は釣具屋さんで買ったこれも安物。
ゴム手袋はホームセンタでこれも数百円しかしなかった。
どちらも完全防水で、絶対に濡れません。
ゴム長はカッパの裾を外側にちゃんと出しておくこと。
ゴム手袋はGPZの場合はすそを普段のウエアの外に出して、その上からカッパの袖を最後にかぶせ、ベルクロで締めておく。
こうすると、豪雨の中を何時間走ろうとも、足と手は濡れません。
この重ね方を間違うと靴と手袋の中にすそから浸水してきます。
一度でも濡らすと、気持ち悪さは逃れられないので、初めから濡らさないことです。

ただ、少しの雨なら、ここまではしません。
それはもしも転倒した時には、普段使いのライディングブーツや登山靴、革のグローブの方が安全性が高いためです。

危険性を書いておきますと、ただのゴム長である靴は、転倒時の衝撃から足を守る要素がほとんどありません。バイクと路面に挟まれたり、ステップが足に突き刺さったりする場合、足を守ることができないので、安易に長靴を履くのはあまりお薦めできません。
ゴム手袋は、転倒して路面に手を突いたとき、路面とグリップしてしまうことがあります。手袋が路面とグリップしたまま、転倒の力で手が前へ押し付けられながら進もうとすると、手袋の中で悲惨なことがおきます。

このゴム長とゴム手袋は、雨の中を長時間にわたって走り続けなければならず、そのために通常の装備では濡れ、冷えることでむしろ危険が増すと判断したときのみに登場する秘密兵器です。

おそらく今なら、濡れても冷えないネオプレーン製のレイングローブが販売されているはずです。皆さんには是非そちらをお薦めします。私も是非一双欲しいと思っているところです。

 
写真は普段使いの登山靴と、グローブです。
登山靴はゴアテックス仕様になっており、それでも裾から雨がいつか入って濡れるですが、しばらくの雨ならしのげます。

グローブは去年から愛用のグリップスワニーG2です。濡れても手がかじかんでしまうことがなさそうなときは、雨でもこちらです。
購入日からほぼ毎日使っています。バイクに乗るときだけでなく、整備時や庭仕事のスコップを使うとき、車の運転、除雪時の手袋として、など、過酷な使用状況に加えて、1回も洗ってもいないし、オイルを擦り込んでもいないという、恥ずかしくもひどい扱い。
しかし、購入時よりも今が断然使いやすい。次第に手に馴染み、革もしなやかでごわつきもなく、汚いのを除けばとてもいい感じです。雨でもレバータッチが極端に悪化せず、またぬれても革が厚い分気化熱が奪われるのがゆっくりで手の冷えが少し軽いという効果もあります。

ところで私はグローブカバーやブーツカバーを持ってはいるのですが、使いません。
理由はあまり役に立たないように感じているからです。

ブーツカバーは、ブーツの底面まで覆うタイプのものでないと、豪雨の中を走り続けるとやがて水が浸水して全く意味を成さなくなります。
ブーツの底まで覆うタイプになると、今度はジャストサイズのものがないために底の形状が合わず、操作感が低下します。また雨に日は意外と停止する機会が多いものです。その地面に足を下ろしたときのグリップ感が非常に悪いのです。そこまでして、カバーの中が完全にドライかといえば、実はそうでもなかったりすることが重なって、私はブーツカバーをしなくなりました。

グローブカバーはあのオーバーサイズのひらひらがグリップやレバーの操作にどうも煩わしくてしなくなりました。雨の時はレバー操作に神経質にならざるを得ないのに、カバーの先端がクシャクシャしたり、カバーとグローブがずれてグリップやレバーがすべるのは、勘弁してほしい。

   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

というようなところで、
雨の危険を減らすためには、まずは快適なライディング環境を整えることが大事。
そのために、雨の中を走っても、服はまったく濡れてない、気持ち悪さと無縁のさらさら環境を作ることが、雨の安全ライディングには最初に考えておきたいことなのでした。

しかし、今日の話は始めから雨だとわかっている場合の話ですね。
ツーリングで一番困るのは、いつ、レインウエアを着るか、そしていつ脱ぐか、でしょう。そのタイミングを間違えないことこそ、真のレインマスターへの道なのかもしれません。
その天気の見極めの話は、レインランシリーズの最後に、お話します。

次回は視界確保。そして濡れないための対策最後の場所、頭部に関わる工夫についてです。

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コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (まーしー)
2008-06-08 22:21:39
さすがに経験豊富ですね。
私は、動きやすさが損なわれないことも気をつけています。
バタつかないように気をつけることとのバランスに苦労しています。
 
 
 
あ、そっちのほうが大事ですね。 (樹生和人)
2008-06-09 05:32:58
まーしーさん、こんにちは。
動きやすさとばたつき対策、それはすごく大事ですよね。そっちこそ記事内容にすべきだったなぁ。

完全にサイズが合っていれば、タイトな方が動きやすくかつばたつかないのですが、一般的にはそうはいかないことが多いですよね。
私は動きと冬季のウェアの上からも着れることを重視してかなり大き目のサイズを選んでいます。
生地自体がしっかりしていると、そんなにばたつかないのですが、高速走行するときには空のデイバッグを背負ってばたつき対策にしたこともありました。

まーしーさん、ありがとうございます。
 
 
 
Unknown (nog)
2018-10-30 15:12:48
めちゃくちゃ参考になります。
雨用にネオプレーンの手袋を見に行こうかなと思っていました。
強度的に不安がありそうなイメージですがどうなんでしょうか?^^
 
 
 
バイク用がおすすめです。 (樹生和人)
2018-10-30 21:29:42
nogさん、こんにちは。
ネオプレーンのグローブも、バイク用ならいいのですが、一般用、マリン用などは、転倒したときのことを考えると、おすすめはできません。強度よりも路面とグリップしすぎないかが問題です。バイクのグリップを握る時には滑らず、しかし、路面のアスファルトには必要以上に噛みこまない(グリップしない)ものでないと、手をついた時、グローブの中で手の指がぐちゃぐちゃに複雑骨折してしまう恐れがあります。(もちろん、そんなことはめったにありませんが、私の場合その可能性は無視すべきでないと考えます。)
使うときはリスクを理解の上、自己責任で判断して使うことが必要だと思います。
しかし、本当にこれっていう理想のレイングローブには、なかなか出会えませんね。
今使っているクシタニのレイングローブは、まずまず許容できるグローブだと思います。新ブログ(風のV7)の「ライディング・ギア」のラベルから見ていただくと、レイングルーブのインプレッションがあります。もしよろしければ、参考までにご覧ください。
 
 
 
Unknown (nog)
2018-10-31 17:28:07
ありがとうございます^^
雨でも晴れでも同じ革手袋なのでレイン用がほしくなってきました
ネオプレーンはホームセンターで安く買えるかなーとぼんやり考えていましたが操作感や安全性を考慮しないといけないですね
なめてました
今度用品店に行った時にクシタニのレイングローブみてみます^^
 
 
 
クシタニ以外でも (樹生和人)
2018-10-31 22:06:29
nogさん。ネオプレーンのバイク用も出ているようですし、クシタニ以外にもいいグローブはいろいろあるかと思います。
なにせ、自分の経験以外は、バイクグッズに関してはあまり確たる情報がないのが私の場合ですので、どうぞ、いろいろ見てみて、楽しみつつ、グローブ選びをしていただければと思います。
 
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