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藤沢周平著 「暗殺の年輪」

2019年10月07日 07時38分23秒 | 読書記

図書館から借りていた 藤沢周平著 「暗殺の年輪」 (大活字本シリーズ)を 読み終えた。
文芸春秋版・文芸文庫版 「暗殺の年輪」(短編全5編)の内の 短編3編が収録された書である。
いずれも藤沢周平の作家デビュー当時の作品群で 
表題になっている「暗殺の年輪」は 第69回直木賞受賞作品である。

「黒い繩」

婚家の義母の仕打ちに耐えかねて実家に戻っていた材木屋三好屋のおしのの心の移ろいが細やかに描写されている作品。
おしのが 偶然、子供の頃遊んだ宗次郎と出会ったことを洩らしたことから、元岡っ引の植木職人地兵衛は 猟師の目になる。
宗次郎と元掏摸の女おゆき殺しの真相は?、ミステリーなストーリーが展開、意外な犯人が・・・、

「暗殺の年輪」

東北の小藩海坂藩の青年武士葛西馨之助は 自分の生い立ちに対する冷ややかな視線を周囲から感じている。
疎遠になっていた貝沼金吾から誘われ 藩の上役から 藩の実力者中老嶺岡兵吾暗殺を持ち掛けられる。
父親の横死の原因が 藩の実力者暗殺失敗によるものであり、
家名存続のため 母親波留が中老嶺岡兵吾に身体を与えていたことを知り
葛藤する。馨之助は 中老峰岡兵吾暗殺に踏み切るも その陰で さらに暗い陰謀が有ったことを知るのだった。

「ただ一撃」

仕官を望む浪人清家猪十郎は 登用試合で 藩の家臣を次々倒し、敗北を恥じて自害する者まで出る。
藩主宮内大輔忠勝は 傍若無人な猪十郎登用を気に入らず 猪十郎を倒せる人材を探すが、 
白羽の矢が立ったのが 連れ合いを亡くし 洟を垂らした、隠居老人刈谷範兵衛
倅の篤之助は危惧するが 嫁の三緒は 舅を信じる。
範兵衛は 熊のような猪十郎の姿を垣間見てから 武芸者としての闘志が蘇り、山に籠り修行、
野生の兵法者となって戻ってきて 嫁の三緒を犯す。
範兵衛は 一撃で猪十郎を倒すが 三緒は懐剣で喉を突き自害、範兵衛は 一気に老いが進む。
つつましく、いじらしく、聡明で、感情豊かな三緒の存在が 
単なる剣豪小説に留まらない作品にしているような気がする。

 

 


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