さあ、Ｓ南平だ❗️(昔話の、再構成版)

でもね、まさかね

今更、帰れないよな
だって、友だちがいる
友だちは、大好きだけど
歪んだ、おまえは
張り合える
相手でもないのにね
張り合おうとしている
だから、友だちが
帰りたいと
行ってくれれば
いや、言い出せば
考えてやらないでもない
仕方ないなあっ🙄
まあ、良いよっ👎
優越感、満タンて
言えるんだけどね
体育会系の
友だちが
言う訳ないよな
はあ〜っ…
友だちは、もう
ひと息、つけたみたいだな

仕方がないなあ

ああっ、帰りたいけど
それは、言えない
まあ、後で考えれば
あの時、帰っていれば
恐怖体験など
しなくて済んだんだけどね
物事、前向きに
頑張れば良いと
言う事でも、ない
と、後ろ向き大好きな
おまえは
今でも、思っている
我ながら、ばっかみたい
とにかく、二人は
また、歩き出した
今度は、下り坂

正直、その辺りからは

記憶は、定かじゃない
いや、今だからじゃなくて
その頃でも
きっと、疲れ切っていて
足りないあたまが
回らなくなったんだろう
たかだか、里山歩き
しかも、小６なのにね
何十年経っても
その時のおまえを
おまえは、情けない
いや、もちろん
その時のおまえも
いつの、どのおまえを
見たとしても
情けなく、思うだろうから
おあいこだね❣️

あれっ⁉️
とか、その時には
妄想する余裕すらなく
下り坂の尾根道は
そんなに、険しくないけど
小走り出来る体力など
ある筈もなく
とぼとぼ、とぼとぼ
深〜いっ里山の森
山道を
押し潰しそうな、木々
切り分けて進む道

やがて、上り坂

でも、この辺りは
尾根道を、真っ直ぐと
登って行く訳じゃなくて
山肌に沿って
折り返したりして
緩い上り坂で
登って行った
そんな記憶だ
とは言え、もちろん
この辺りでは
すっかり、ぺろぺろ
意識、無意識で
ただ、登っていたかな
ただ、そうだ
そんな時だ❗️
山頂が、見えてきた‼️

この山は、もちろん
名前の通り
頂上は、平で
開けているから
森が、切れた辺りが
山頂で、直ぐ分かる
この山道は
確か、二回目だった
かも知れない
記憶は、定かじゃない
ただ、その直前
秋の校外学習に

初めて、来た

そんな気がする

だから、この道は
直前に、踏破済みで
なんのことは
無い筈なんだけどね
でも、キツかった
そうだな、確か
校外学習は
裾野の神社迄は
団体バスで
送って貰っていた
しかも、頂上の駐車場に
そのバスたちが
待ってくれている
その安心が、あったな
何しろ、その日
おまえたちは
帰りも、歩いて
折り返すつもりだった
でも、それどころじゃない　

この時点で
ヘタっているおまえは
やっぱり、情けない事には
変わりないよね
何しろ、友だちは
学区の反対端から
やっぱり、学区の端の
おまえの家迄
歩いて
寄ってくれたんだ
片道２kmは
あった筈だからね
山頂は、確実に
近づいて来た
あとひと息☝️
さあ、着いたあっ❣️

…はあ〜っ、着いたっ😵

…でも😂

やったあ〜〜〜

広〜いっ👍
晩秋の
透き通る陽光
燦々と、降り注いでくる
目が眩む程の
明るい山頂の広場
裾野へと広がる
里山の森
広場を囲む並木は
常緑樹の緑と
混じり合う
紅葉樹の
鮮やかな彩り
でも、山頂広場は
広々とした芝生
周遊路を歩いて行く
人っこ一人いないよ
二人だけ
でも、寂しさはないな
見上げると
真っ青な青空
里山丘陵越しの
故郷の湾は
光り輝き
霞む、島や半島
その先には
太平洋へと繋がる
振り返れば
故郷の平野を
包み込むように
裾野を、広げる
霊山が、聳える
そして、更に
その背後には
連なって行く
故郷の屋根を成す
山々も、輝いている
はあ〜っ…
凄い、疲れたけど
でも、はあ〜っ…
良かったね❗️
登り切った‼️
友だちと
顔を、見合わせる
さあ、おにぎりを
食べよう❣️
さあ、あっちの
ベンチ…

あれっ⁉️
ひとが、座ってるね
顔を見合わせる
人っこ一人いない
と、思ったのにね
いや、そうだ
あの下の
広場に行けば良い
ブランコや
滑り台もある
ご飯を食べた後
少し、遊べる
元々、遊ぶつもりだった
ちょうど良い
ただ、その前に
おとなのひとたちが
座ったベンチの前を
通って行く
若いお兄さんと
お姉さんたち❓
アベックじゃないけど
ちょっと
見るのは、恥ずかしい
二人とも
目を逸らして
一段下の
公園へと、降りて行く