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日記、日々の想い 

少年は,こいぬを探すゆめを見る

少年は、ゆめを見ない
でも、ゆめを見た
そんな気が、したことがあった
それは、ゆめなのか
うつつなのか
よく分からない
そのゆめは、こいぬのゆめだ
少年は、こいぬを拾ったけど
でも、少年のゆめには
こいぬは、出てこない
多分、それは
少年が、罪を犯した
そのせいなのかも知れない
だから、少年の
こいぬのゆめは
決して、こいぬは
出て来なくて
こいぬを、探して
彷徨うゆめだ
いや、ゆめでは
ないのかも知れない
少年は、あの日
本当は、土手道で
思い直して
引き返したのかも知れない
あの子を、捨てた
あの空き地へ
もう、いなかったのか
いや、そうじゃない
それだったら、あの子は
少年の腕に
胸の中に
戻っていただろう
少年には、きっと
そんな勇気がなくて
あの子を、必死で
振り払う為に
あんな川向こうの
ひと気のない
野犬の群れの徘徊する
空き地に、捨ててきたんだから
もし、あのとき
少年が、家の近くにもあった
空き地に、あの子を
隠したら、どうだったのか
あの子を、内緒で
飼ってあげられなかったのか
おまえのごはんを
少し残して
いや、いっぱい残して
こっそり、あげにいく
そんなことだって
出来た筈だ
そう思い返したから
少年は、多分
ゆめなどではない
次の日に、きっと
あの空き地まで
橋を渡って
行ったのかも知れない
あの子が、心配で
心配で、仕方がなかった
そうなのかも、知れない
何故、おまえは
あんな遠くに
あの子を、捨てた
いや、なんで捨てた
辿り着いた、空き地
あの子は、もちろん
いる筈もないんだ
あの子を、入れていた
木箱すら、見つからない
いや、きっと
優しいひとが
あの子を、拾って
くれたのかも知れない
いや、そんな訳はない
学校帰りの
夕方だったんだ
直ぐ、真っ暗な夜になって
怖い、怖い夜になって
あの子は、きっと
彷徨い歩いたんだ
罪を、犯して
救われることなく
こうして、彷徨う
おまえのように
でも、あの子は
もう、おまえには
戻らない
犯した罪には
決して、取り返しの
つかないこともある
そうしたものだ…
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