春の嵐は
馬鹿に出来ない
おまえが、通勤のクルマを
急な出水で潰したのも
春の嵐だった
予報では、時間降雨量１mm
強風の予報もなくて
雷の予報もなくて
春の嵐の予報なんてなかった
何だか、しとしと降ってるな
そう思って、走り出した
いつもの通勤路
真っ暗な通勤路
空港の朝は、早いから
幹線だけど、真っ暗み
里山丘陵に入ると
灯りなどない
未明の幹線
坂を上って、下って
結構降ったみたいだ
いや、もちろん
まだ、降ってる
小止みな霧雨だけど
寝床に入った時は
降ってなかったと思う
雨音は、しなかった
寝る前の習慣
天気予報チェックは
未明に雨
警報も注意報もなし
いつもの未明に起きて
雨音がしていた
意外と激しい
でも、支度をする内には
音は、しなくなった
だから、霧雨
里山を抜けると
川があって
橋を越えると
水たまりになるところがある
結構、水が出ていた
何か、大雨の後みたい
そんな降ったのかな
そろそろと道の真ん中
傍は深いからね
やがて、街だ
ここは、新しい街
新しい道路だけど
水が溜まるところがある
後、一か所は気をつけないとね
もちろん、水没とかはない
アンダースルーは、ないしね
でも、ハンドルは取られるかも
だから、気をつける
案の定、少しバジャンッ
ただ、街を抜けると
また、里山丘陵だ
空港まで、続く
アップダウンは、あるけど
低地はない
空港に向かうクルマは
夜明け前から
かなり多い
みんながんがん飛ばす
もう、水たまりの心配はない
おまえも、がんがん
信号で止まった
みんな走行車線
珍しく追い抜きが、がら空き
よし、追い抜きに出て
信号で、先頭
信号変わって、さあ
纏めて、追い抜き
急発進…だった
凄い水たまりだった
避ける暇もなく、スピン
追い越し側にも、歩道
そこに乗り上げて、止まった
とにかく、フロントには
水が噴き上がった
横の走行車線
みんな、そろそろと行く
そう言うことだった
知らないおまえは、浅はか
やった❗️抜ける‼️
じゃなかった👎
クルマは、おっと😰
スピンっ💦
…した後に
歩道に少し乗り上げた😩
それで止まった👎
さあ、バックしなくちゃ
エンジンは動くけど
３０cmの水深
はまったクルマは
どうしても、抜け出せない😭
後々知ったけど
そこは、Ｔ字路の底
排水溝が詰まっていたらしい
とにかく、雨は小止みでも
水は、引かない
少しずつ嵩を増している
よく見ると、前には
同じ運命のクルマ
若い女性が必死で
ケータイを掛けている
テールランプの点滅
そうか、みんなあれで気づいて
走行車線に逃げたのか
…散々苦労したど
どうにもならず😮💨
警察とＪＡＦ
勤務先の上司
みんなケータイで連絡
でも、どうにもならない
警察は、結構早く来てくれて
交通整理と事故の説明
物損はなかった
でも、ＪＡＦは来ない
水は、クルマの中にも入る
排気管から、エンジンにも
お巡りさんが手伝ってくれて
クルマは、歩道脇に避けたけど
エンジンは、もう死んだ
結局、その日その時間
その春のゲリラ豪雨で
その辺りだけで
１６台も水没したと言う
翌日の新聞記事だ
後で来たＪＡＦの人の話では
何台も、掛け持ちで
どうにもならなかったらしい
春の嵐で、あんなこと👎
しみじみ怖いと思った
身に沁みた経験
