竹取翁と万葉集のお勉強

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万葉集 長歌を鑑賞する 集歌29

2014年09月21日 | 万葉集 長歌を楽しむ
万葉集 長歌を鑑賞する 集歌29

過近江荒都時、柿本朝臣人麿作歌
標訓 近江の荒れたる都を過ぎし時に、柿本朝臣人麿の作れる歌
集歌29 玉手次 畝火之山乃 橿原乃 日知之御世従(或云、自宮) 阿礼座師 神之書 樛木乃 弥継嗣尓 天下 所知食之乎(或云、食来) 天尓満 倭乎置而 青丹吉 平山乎越(或云 虚見 倭乎置 青丹吉 平山越而) 何方 御念食可(或云、所念計米可) 天離 夷者雖有 石走 淡海國乃 樂浪乃 大津宮尓 天下 所知食兼 天皇之 神之御言能 大宮者 此間等雖聞 大殿者 此間等雖云 春草之 茂生有 霞立 春日之霧流(或云、霞立 春日香霧流 夏草香 繁成奴留) 百磯城之 大宮處 見者悲毛(或云、見者左夫思毛)

西本願寺本万葉集の原文を忠実に訓むときの解釈
訓読 玉(たま)襷(たすき) 畝(うね)火(ひ)し山の 橿原の 日知し御世ゆ(或は云はく、宮ゆ) 生(あ)れましし 神し書(ことば)の 樛(つが)し木の いや継(つ)ぎ嗣(つ)ぎに 天つ下 知らしめししを(或は云はく、めしける) 天にみつ 大和を置きて あをによし 奈良山を越え(或は云はく、空みつ 大和を置きて あをによし 奈良山越えて) いかさまに 思ほしめせか(或は云はく、おもほしけめか) 天離る 夷にはあれど 石(いは)走(はし)る 淡海(あふみ)し国の 楽浪(ささなみ)の 大津し宮に 天つ下 知らしめけむ 天皇(すめろぎ)し 神し御言(みこと)の 大宮は 此処と聞けども 大殿は 此処と言へども 春草し 繁く生(お)ひたる 霞立ち 春日し霧(き)れる(或は云はく、霞立ち 春日か霧れる 夏草か 繁くなりぬる) ももしきし 大宮処 見れば悲しも(或は云はく、見ればさぶしも)

私訳 美しい襷を掛ける畝傍の山の橿原の地で、天下を統治された神武天皇が作られた神の書を、樛の木々が育つように代代に天下の人々に教えられているのを、その天の神の国まで満たす天皇の治める大和の国を後に残して、青葉の美しい奈良山を越えて、どのようにお思いになられたのか大和から離れた田舎ですが、岩が流れ下る淡海の国の楽浪の大津の宮で天下を御統治なされた天皇が、神の御言葉に従って造った大宮はここと聞いたけれど、大殿はここだと云うけれど、春草が繁って育っていて、霞が立ち春の日に霧が差し込んで来る多くの岩を積み上げる大宮の場所を見ると悲しくなる。


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