竹取翁と万葉集のお勉強

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万葉集 集歌1744から集歌1748まで

2021年04月28日 | 新訓 万葉集巻九
見武蔵小埼沼鴨作謌一首
標訓 武蔵(むさし)の小埼(をさき)の沼の鴨を見て作れる謌一首
集歌一七四四 
原文 前玉之 小埼乃沼尓 鴨曽翼霧 己尾尓 零置流霜乎 掃等尓有斯
訓読 埼玉(さきたま)し小埼(をさき)の沼に鴨ぞ羽(は)霧(き)おのし尾に降り置ける霜を掃(はら)ふとに有らし
私訳 埼玉の小埼の沼の水に浮かぶ鴨が飛沫を上げて羽を振るわせ、自分の尾に降りた霜を払うかのようです。

那賀郡曝井謌一首
標訓 那賀郡(なかのこほり)の曝井(さらしゐ)の謌一首
集歌一七四五 
原文 三栗乃 中尓向有 曝井之 不絶将通 従所尓妻毛我
訓読 三栗(みつくり)の那賀(なか)に向へる曝井(さらしゐ)し絶えず通(かよ)はむそこに妻もが
私訳 栗のイガの中に実が三つあるような、那賀に向かって流れる川の源の曝しの泉の水が絶えることがないように、私は絶えず通って来ましょう。そこに愛しい貴女がいるから。

手綱濱謌一首
標訓 手綱(たづな)の濱の謌一首
集歌一七四六 
原文 遠妻四 高尓有世婆 不知十方 手綱乃濱能 尋来名益
訓読 遠妻(とほつま)し多珂(たか)にありせば知らずとも手綱(たづな)の浜の尋ね来なまし
私訳 遠くに住む愛しい貴女が多珂にいるしたら、場所を知らなくても手綱の浜のように、人の手伝(てずな)を頼って尋ねて来ましょう。

春三月諸卿大夫等下難波時謌二首并短謌
標訓 春三月に、諸(もろもろ)の卿大夫等(まへつきみたち)の難波(なには)に下(くだ)りし時の謌二首并せて短謌
集歌一七四七 
原文 白雲之 龍田山之 瀧上之 小鞍嶺尓 開乎為流 櫻花者 山高 風之不息者 春雨之 継而零者 最末枝者 落過去祁利 下枝尓 遺有花者 須臾者 落莫乱 草枕 客去君之 及還来
訓読 白雲し 龍田(たつた)し山し 瀧(たき)し上(へ)し 小椋(をぐら)し嶺(みね)に 咲きををる 桜の花は 山高み 風し止(や)まねば 春雨し 継ぎてし降れば 秀(ほ)つ枝(え)は 散り過ぎにけり 下枝(しづえ)に 残れる花は しましくは 散りな乱ひそ 草枕 旅行く君し 還り来るまで
私訳 白雲の立つ龍田の山の急流の岸辺の小椋の嶺に枝が咲きしなだるような桜の花は、山が高く風が止まないし、春雨がしきりに降るので、上の方の枝の花は散り過ぎてしまった。下の方の枝に残る花は、しばらくは、散らないでくれ。草を枕にするような旅を行くあの御方が、ここに還り来るまで。

反謌
集歌一七四八 
原文 吾去者 七日不過 龍田彦 勤此花乎 風尓莫落
訓読 吾(わ)が行きは七日(なぬか)し過ぎじ龍田彦(たつたひこ)ゆめこの花を風にな散らし
私訳 私の旅往きは七日を超えることはないでしょう。龍田彦よ、どうか、この花を風に散らさないでくれ。

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