竹取翁と万葉集のお勉強

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竹取翁の歌のお勉強 娘女の参歌 その6

2009年05月24日 | 万葉集 竹取翁の歌を鑑賞する
竹取翁の歌のお勉強 娘女の参歌 その6

六人目の娘子の歌  天武天皇の答え
集歌3799 豈藻不在 自身之柄 人子之 事藻不盡 我藻将依  (六)
訓読 豈(あに)もあらじおのが身のから人の子の事(こと)も尽さじ我れも寄りなむ
私訳 だからと云って。私の身分では貴女は高貴な人の妻ですから恋の思いを遂げることは出来ませんが、それでも、私も大和歌を寄せましょう。

六人目の娘女の歌を「身分からの人妻の支障があり恋が出来ない」と解釈しての集歌21の歌です。
こうした時、集歌21の歌は天武天皇の若かりし時の御歌で、万葉集巻一からの採歌となります。

巻一より
天皇、遊狩蒲生野時、額田王作謌
標訓 天皇の、蒲生野に遊狩(みかり)したまひし時に、額田王の作れる歌
集歌20 茜草指 武良前野逝 標野行 野守者不見哉 君之袖布流
訓読 茜(あかね)さす武良(むら)の前野(さき)逝(ゆ)き標野(しめの)行き野守(のもり)は見ずや君が袖振る
私訳 茜染めの真緋(あけ)の衣を纏った武者達が駆け回った茜色に染まった蒲生邑の前野はもう暮れようとしてます。今日、その御狩地である標野で御狩りがありましたが、野守は見たでしょうか。多くの女性が薬草採りをする中で、私だけに貴方がそっと印しの袖を振ったのを。

皇太子答御謌 明日香宮御宇天皇、謚曰天武天皇
集歌21 紫草能 尓保敝類妹乎 尓苦久有者 人嬬故尓 吾戀目八方
訓読 紫草(むらさき)の色付(にほへ)る妹を憎くあらば人嬬(ひとつま)故に吾(あ)が恋ひめやも
私訳 紫の衣を着る高貴な貴女を帝と同じように慕わない人はいません。貴女は帝の皇后ですから私を始め皆がその慕う気持ちを表さないのです。
紀曰、天皇七年丁卯夏五月五日、縦狩於蒲生野。于時大皇弟諸王内臣及群臣、皆悉従焉。
注訓 記に曰はく「天皇、七年丁卯の夏五月五日に、蒲生野に縦狩(みかり)したまふ。時に大皇弟・諸王・内臣と群臣、悉皆(ことごと)に従ふ」といへり。

なお、集歌20と集歌21との歌の訓読みと私訳は、万葉集は漢字と万葉仮名で書かれているとの立場からの訳ですので、普段の音表示の万葉仮名で書かれているとする訓読みや意訳とは違っています。

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