竹取翁と万葉集のお勉強

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万葉集 集歌1709から集歌1713まで

2021年04月19日 | 新訓 万葉集巻九
献弓削皇子謌一首
標訓 弓削皇子に献(たてまつ)れる歌一首
集歌一七〇九 
原文 御食向 南渕山之 巌者 落波太列可 削遺有
訓読 御食(みけ)向ふ南淵山(みなふちやま)し巌(いはほ)には落(ふ)りしはだれか消え残りたる
私訳 昔、皇極天皇が雨乞いの四方拝の儀式をされた南淵山の巌が白く見えるのは、巌に降った雪がまだらに消え残っているからでしょうか。
左注 右、柿本朝臣人麻呂之謌集所出
注訓 右は、柿本朝臣人麻呂の歌集に出づ

集歌一七一〇 
原文 吾妹兒之 赤裳泥塗而 殖之田乎 苅将蔵 倉無之濱
訓読 吾妹児(わぎもこ)し赤(あか)裳(も)ひづちて殖ゑし田を刈りて蔵(おさ)めむ倉無し浜
私訳 私の愛しい娘が赤い裳裾を泥で汚して種を播いた田で穂を刈って納めましょう。もう難波大蔵が焼け失せてしまった、その倉無の浜で。

集歌一七一一 
原文 百傳之 八十之嶋廻乎 榜雖来 粟小嶋者 雖見不足可聞
訓読 百づたし八十(やそ)し島廻(しまみ)を漕ぎ来れど粟(あは)し小島は見れど飽かぬかも
私訳 百へと続く八十、その沢山の島の周りを漕ぎ来るが、粟の小島は何度見ても見飽きることはありません。
左注 右二首、或云、柿本朝臣人麻呂作。
注訓 右の二首は、或は「柿本朝臣人麻呂の作なり」といへり。

登筑波山詠月一首
標訓 筑波山に登りて月を詠める一首
集歌一七一二 
原文 天原 雲無夕尓 烏玉乃 宵度月乃 入巻吝毛
訓読 天つ原雲なき夕(ゆふ)にぬばたまの夜渡る月の入らまく惜(を)しも
私訳 天の川原に雲が出ていない夕べに、漆黒の夜を渡って往く月が山の端に隠れていくのが残念です。

幸芳野離宮時謌二首
標訓 芳野の離宮(とつみや)に幸(いでま)しし時の謌二首
集歌一七一三 
原文 瀧上乃 三船山従 秋津邊 来鳴度者 誰喚兒鳥
訓読 滝し上(へ)の三船し山ゆ秋津辺(あきつへ)し来鳴き渡るは誰(たれ)呼子(よぶこ)鳥(どり)
私訳 激流の上流の先の三船の山の、その秋津の野辺に来鳴き渡って行くのは、誰を呼ぶのか、呼子鳥よ。

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