竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

柿本朝臣人麻呂の歌並びに人麻呂歌集の歌 26

2013年06月16日 | 柿本朝臣人麻呂歌集及び万葉集に載る歌集
柿本朝臣人麻呂の歌並びに人麻呂歌集の歌

集歌2947 念西 餘西鹿齒 為便乎無美 吾者五十日手寸 應忌鬼尾
訓読 想ふにし余りにしかばすべを無みわれは言ひてき忌むべきものを
私訳 心に貴女を想い、恋焦がれるのをあまりにどうしようもなく、私は何度も何日も貴女の名前を口に出してしまった。慎むべきなのに。
或本歌曰、門出而 吾反側乎 人見監可毛。
或る本の歌に曰はく、
訓読 門し出にわがこい伏すを人見けむかも。
私訳 家の門に走り出て私が転んだのを誰か見たでしょうか
一云、無乏 出行 家當見。
一は云はく、
訓読 すべを無み出でてそ行きし家しあたり見に
私訳 どうしようもなくて出かけて行った。あの娘の家の辺りを見に。
柿本朝臣人麻呂歌集云、尓保鳥之 奈流柴汁来乎 人見鴨
柿本朝臣人麻呂の歌集に云はく、
訓読 鳰鳥しなるさし来しを人見けむかも
私訳 カイツブリが水面から出たり入ったりするように、私が思案して家から出たり入ったりして、あの娘の家の辺りにやって来たのを人は見たでしょうか。

集歌3063 淺茅原 小野尓標結 空言毛 将相跡令聞 戀之名種尓
訓読 浅茅(あさぢ)原小野に標(しめ)結(ゆ)ふ空言(むなこと)も逢はむと聞こせ恋し慰(なぐさ)に
私訳 巻向の浅茅ガ原の小野に約束の標を結ぶという空約束でも良いから、お互いに逢いましょうとおっしゃって下さい。恋の慰めに。
或本歌曰、将来知志 君牟志待。又見柿本朝臣人麻呂歌集、然落勺少異耳。
注訓 或る本の歌に曰はく、来むと知らせし君をし待たむ。また、柿本朝臣人麻呂の歌集に見ゆ。然れども落勺(らくしゃく)少しく異なるのみ。
(落勺:後半の内容)
参考歌
集歌2466 朝茅原 小野印 室事 何在云 公待
訓読 浅茅原(あさぢはら)小野に標結(しまゆ)ふ室事(むろこと)しいかなり云ひて君し待たなむ
私訳 巻向の浅茅ガ原の小野に縄張りの標を結ぶ室(=小屋)、その言葉のひびきではないが、私との室事(=睦事)をどうしましょうと云って貴方がその小野で私を待っているでしょう。

羈旅發思
標訓 羈旅に思を発せる
集歌3127 度會 大川邊 若歴木 吾久在者 妹戀鴨
訓読 度会(わたらひ)し大川し辺(へ)し若(わか)歴木(ひさぎ)吾(わ)が久(ひさ)ならば妹恋ひむかも
私訳 度会の大川の岸にある若い櫟。私が無事ならば、あの愛しい人は私に恋をするかな。

集歌3128 吾妹子 夢見来 倭路 度瀬別 手向吾為
訓読 吾妹子し夢し見え来(こ)し大和路(やまとぢ)し渡り瀬ごとに手向(たむけ)けぞ吾(あ)がする
私訳 私の愛しい恋人が夢に出て来いと、大和へ帰る道の川の渡瀬ごとに神にお願いを私はします。

集歌3129 櫻花 開哉散 乃見 誰此所 見散行
訓読 桜花咲(さき)かも散ると見るまでに誰かも此処し見えて散り行く
私訳 この桜の花が咲いて散っていくのを見るのは誰でしょうか。ここに来られて桜の花のように散って逝かれた。

集歌3130 豊洲 聞濱松 心裳 何妹 相云始
訓読 豊国(とよくに)し企救(きく)し浜松根もころに何しか妹し相(あひ)云(い)ひ始(し)けむ
私訳 貴女の思い出を聞く、その豊国の企救の浜松。御方が石戸を開けてお出ましになる時を待つと云うその気持ちに、どのように貴女に言葉を掛けましょうか。
右四首、柿本朝臣人麻呂歌集出。
注訓 右の四首は、柿本朝臣人麻呂の歌集に出づ。

コメント   この記事についてブログを書く
« 万葉雑記 色眼鏡 その卅一... | トップ | 今日のみそひと歌 月曜日 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

柿本朝臣人麻呂歌集及び万葉集に載る歌集」カテゴリの最新記事