竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
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万葉集 集歌1689から集歌1693まで

2021年04月13日 | 新訓 万葉集巻九
集歌一六八九 
原文 在衣邊 着而榜尼 杏人 濱過者 戀布在奈利
訓読 在(あ)る衣辺(いへ)し着つて漕がさね杏人(ありひと)し浜し過ぎれば恋しく在(あ)りなり
私訳 そこに在る粗末な衣を纏って船を漕ぎなさい。人が居なくても杏人(有り人)の浜を漕ぎゆくと、人が恋しくなります。

高島作謌二首
標訓 高島にして作れる歌二首
集歌一六九〇 
原文 高嶋之 阿渡川波者 驟鞆 吾者家思 宿加奈之弥
訓読 高島し阿渡(あと)川波(かわなみ)は騒くともわれは家(いへ)思(も)ふ宿(たび)し悲しみ
私訳 高島の阿渡川の川浪が音高く騒いでいても、それでもしみじみ、私は家を思い出します。旅の辛さに。

集歌一六九一 
原文 客在者 三更刺而 照月 高嶋山 隠惜毛
訓読 旅なれば夜中(やなか)を指して照る月し高島山し隠らく惜しも
私訳 旅なので大和では夜通し照る月が、ここでは夜半に高島山に隠れて行くのが惜しいことです。

紀伊國作謌二首
標訓 紀伊国にして作れる歌二首
集歌一六九二 
原文 吾戀 妹相佐受 玉浦丹 衣片敷 一鴨将寐
訓読 吾(わ)が恋ふる妹し逢はさず玉し浦に衣(ころも)片(かた)敷(し)き独りかも寝(ね)む
私訳 私が恋しい貴女は逢ってくださらず、美しい玉の浦で私の衣だけの片身で、鴨は二匹で仲良く寝ますが、今夜は私は独りで寝るのでしょう。

集歌一六九三 
原文 玉匣 開巻惜 吝夜牟 袖可礼而 一鴨将寐
訓読 玉櫛笥(たまくしげ)開けまく惜(を)しき吝(お)しむ夜を袖(そで)離(か)れて独りかも寝(ね)む
私訳 美しい櫛を納める箱を開けて見せるのを慈しむように私に貴女が衣を開けるのを、貴女と逢える機会を吝しむこの夜を共寝の袖を交わすことをしないで、独りで今夜は寝るのでしょう。
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