竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

万葉集 集歌1719から集歌1723まで

2021年04月21日 | 新訓 万葉集巻九
春日蔵謌一首
標訓 春日蔵(かすがのくら)の歌一首
集歌一七一九 
原文 照月遠 雲莫隠 嶋陰尓 吾船将極 留不知毛
訓読 照る月を雲な隠しそ島(しま)蔭(かげ)に吾(あ)が船(ふね)泊(は)てむ泊(とまり)知らずも
私訳 照る月を雲よ隠さないでくれ、島蔭に私が乗る船が榜ぎ行くが、停泊する処が判らなくなる。
左注 右一首、或本云、小辨作也。或記姓氏無記名字、或称名号不称姓氏。然依古記便以次載。凡如此類、下皆放焉。
注訓 右の一首は、或る本に云はく「小辨(せうべん)の作なり」といへり。或は姓氏(うぢ)を記して名字(な)を記すことなく、或は名号(な)を称えて姓氏(うぢ)を称えず。然れども古記(こき)に依りて、便(すなは)ち次(ついで)を以ちて載す。凡てかくの如き類(たぐひ)は、下(しも)皆これに放(なら)へ。

元仁謌三首
標訓 元仁(ぐわんにん)の歌三首
集歌一七二〇 
原文 馬屯而 打集越来 今日見鶴 芳野之川乎 何時将顧
訓読 馬(むま)並(な)めてうち群(む)れ越え来(き)今日(けふ)見つる吉野し川をいつかへり見む
私訳 馬を並べて集って道を越え来た、今日見るこの吉野の川を、次はいつ再び見るでしょうか。

集歌一七二一 
原文 辛苦 晩去日鴨 吉野川 清河原乎 雖見不飽君
訓読 苦しくも暮れゆく日かも吉野川清き川原を見れど飽かなくに
私訳 残念ですが暮れ行く夕日なのでしょう。吉野川の清らかな川原を見ると見飽きることはないのですが。

集歌一七二二 
原文 吉野川 河浪高見 多寸能浦乎 不視歟成嘗 戀布莫國
訓読 吉野川川浪(かはなみ)高(たか)み激(たぎ)の浦を見ずかなりなむ恋しけなくに
私訳 吉野川の川の浪は高く、激流の中の淀みを見ることもないのでしょう。後で残念に思わないと良いのですが。

絹謌一首
標訓 絹(きぬ)の歌一首
集歌一七二三 
原文 河蝦鳴 六田乃河之 川楊乃 根毛居侶雖見 不飽君鴨
訓読 かわづ鳴く六田(むた)の川し川(かは)楊(やなぎ)のねもころ見れど飽(あ)かぬ君かも
私訳 カジカ蛙が鳴く六田の川の川楊を心行くまで眺めるように、心行くまで思い浮かべても飽きることがない貴方です。
コメント   この記事についてブログを書く
« 万葉集 集歌1714から集歌171... | トップ | 万葉集 集歌1724から集歌172... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

新訓 万葉集巻九」カテゴリの最新記事