竹取翁と万葉集のお勉強

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万葉集 集歌1774から集歌1778まで

2021年05月06日 | 新訓 万葉集巻九
万葉集 集歌1774から集歌1778まで

獻舎人皇子謌二首
標訓 舎人皇子に献(たてまつ)れる歌二首
集歌一七七四 
原文 垂乳根乃 母之命乃 言尓有者 年緒長 憑過武也
訓読 たらちねの母し命(みこと)の言にあれば年し緒長く憑(たの)め過ぎむや
私訳 乳を与えてくれた実母の大切な命令であれば、長い年月をただ頼りにさせたままで済ますでしょうか。

集歌一七七五 
原文 泊瀬河 夕渡来而 我妹兒何 家門 近春二家里
訓読 泊瀬川夕渡り来て吾妹子(わぎもこ)が家し門し近づきにけり
私訳 泊瀬川を夕刻に渡って来て、恋しい恋人の家の門が近付いてきた。
左注 右三首、柿本朝臣人麻呂之歌集出。
注訓 右の三首は、柿本朝臣人麻呂の歌集に出づ。

石川大夫遷任上京時、播磨娘子贈謌二首
標訓 石川大夫の任を遷(うつ)さえて京(みやこ)に上(のぼ)りし時に、播磨の娘子(をとめ)の贈れる謌二首
集歌一七七六 
原文 絶等寸笶 山之岑上乃 櫻花 将開春部者 君乎将思
訓読 絶等寸(たゆとき)し山し岑(を)し上(へ)の桜花(さくらはな)咲かむ春へは君を思(しの)はむ
私訳 散ると縁が切れてしまう、山の丘の上に咲く桜の花よ。次に桜が咲くでしょう春には、貴方のことを思い出し偲びましょう。

集歌一七七七 
原文 君無者 奈何身将装餝 匣有 黄楊之小梳毛 将取跡毛不念
訓読 君なくはなぞ身(み)装(よそ)はむ匣(くしげ)なる黄楊(つげ)し小櫛(をぐし)も取らむとも思(も)ず
私訳 貴方が居なくては、どうして、私は着飾りましょう。匣にしまい込んである黄楊のかわいい櫛も取り出そうとは思いません。

藤井連遷任上京時、娘子贈謌一首
標訓 藤井連の任を遷(うつ)さえて京(みやこ)に上(のぼ)りし時に、娘子(をとめ)の贈れる謌一首
集歌一七七八 
原文 従明日者 吾波孤悲牟奈 名欲山 石踏平之 君我越去者
訓読 明日よりは吾は恋ひむな名欲山(なほりやま)石(いは)踏(ふ)み平(なら)し君が越え去(い)なば
私訳 明日からは私は貴方を懐かしむでしょう。名欲山の岩を踏みしめて貴方が越えて都に去って行ったならば。

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